2024年1月 1日 (月)

明けましておめでとうございます

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2023年12月31日 (日)

2023年の公演を振りかえって (2)

今年の印象深かった演奏会を振りかえってみる。(特に記していないものは都響の公演です)

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9月23日東京芸術劇場、ローレンス・レネスさんの指揮でラフマニノフの2番など。
演奏機会の多いラフマニノフの2番、どうして皆演奏したがるのか、ずっと謎だった。この秋、教えている大学オーケストラが演奏することもあり、時間をかけてスコアを読んだ。冗長と思っていた様々なフレーズが違う姿で現れ、自分の浅はかさを知るばかりだった。

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9月18日サントリーホール、9月23日東京芸術劇場のソリストはタベア・ツィンマーマンさん、10月14日東京芸術劇場のソリストはイザベル・ファウストさん。
お二人に共通するのは素敵な笑顔。リハーサル会場に現れるだけで、こちらも笑顔になってしまう。彼女たちが高い能力を持ち、多くの経験を積んだ結果なのかもしれないけれど、良い演奏をする秘訣と思う。
もう一つ、楽器を押さえつけず、倍音の豊かな表現をすることも共通していた。

アンコールを弾いている時、タベア・ツィンマーマンさんの左手指が自然な重さで指板に乗り、その指に柔らかくヴィブラートがかかっていく様は見事だった。能ある鷹は爪を隠す、という言葉がある。9月23日のアンコールではすさまじいヒンデミットを弾き、あなたは今までずっと爪を隠していましたね、と思った。
イザベル・ファウストさんのアンコールはヴェストホフ。強靱な演奏は、揺るがない見事な音程感覚に支えられている、と感じた。

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10月7日サントリーホール、8日ホクト文化ホール、大野和士さん指揮でドヴォルザークの7番など。
奏者の自由度はほぼない、と思うくらい7番の交響曲は緻密に書かかれ、スラヴ的、宗教的な要素も強く感じられる曲だった。

プログラム前半は藤田真央さんのソロでブラームスの1番のピアノ協奏曲。静かな第2楽章では、彼の澄んだ音にオーケストラの音が寄り、整っていくようだった。そのようにすっと人の心に入っていく音があるのですね、と感じた。

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10月30日東京文化会館、オスモ・ヴァンスカさんの指揮でシベリウスの5、6,7番。
ヴァンスカさんのリハーサルは的確だった。これほどよくオーケストラの音を聴いている人はあまり経験がない。どこかのパートの音程を1箇所指摘した時、それは音楽全体への理解と、その細部が全体の中でどれほどの重要性を持っているのか、多くのことを示しているようだった。気の抜けない時間を過ごした。
こういう表現をしてよいのかわからないけれど、ヴァンスカさんはハードボイルドだった。淡々と、しなくてはならないことを進めていく。奏者が抗っても、感情を表すことなく、ゆずらないところはゆずらない。ゲネプロの進め方まで、見事な手綱さばきだった。
そうしたリハーサルの結果は、温かい血の通う見事な音楽だった。オーケストラで弾いていて、あんなに心動かされたのは初めてだったかもしれない。

舞台から見て、東京文化会館の客席は音楽を愛する人たちで埋めつくされていると感じた。胸のつぶれるような報道が続く10月下旬、音楽に携わっていられることは、信じられないほど恵まれたことなのだと思った。

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11月17,18,19日兵庫芸術文化センター、ポール・メイエさんのクラリネットと指揮で兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)、エスケシュのクラリネット協奏曲(この曲のみ指揮は阿部加奈子さん)など。
初めて弾くエスケシュ、スコアを目で追うだけで大変なクラリネットパートは、超絶技巧と思う。でもポール・メイエさんはいつも穏やか。すごいな、と思った。どんなときも心と体が柔らかで、背中の感じが変わらない。
PACには世界中から若者が集まり、メンバーは毎年変わっていく。様々なことが確立していない場でどうふるまうのか、どんなことができるか、自分に問う毎日だった。

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12月2日ミューザ川崎シンフォニーホール、再びポール・メイエさんの指揮とクラリネットで東京交響楽団のモーツァルトプログラム。
オーケストラが変わってもポール・メイエさんは変わらず、すぐに誰とでも打ち解ける。
リハーサルも優れた音響のミューザで行われ、快適だった。メイエさんの本番衣装は上着の裏地、靴の裏も赤い。そうしたことがさりげなく、お洒落でもありますね、と感心するばかりだった。

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12月初旬は、まず富国生命の主催で沖縄の支援学校、特別支援学校へのアウトリーチ(弦楽四重奏のメンバーは大和加奈さん、竹原奈津さん、千原正裕さん)。帰宅した翌日、今度は都響の小規模公演で青ヶ島へ(やはり弦楽四重奏で大和加奈さん、吉岡麻貴子さん、村田恵子さん)。

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支援学校に通う子供たちの中には、演奏会に行くことが困難な子供たちがいるかもしれない、と思い、何を聴いてもらうのが良いのか、プログラムを工夫した。
それなりに楽しく、こちらの負担の少ないプログラムはある。でも奏者が必死で弾く姿を見せることはきっと必要と思い、ベートーヴェンの初期の弦楽四重奏の一つの楽章を中心に据え、耳馴染みの良い曲からクラシック音楽の中心にあるレパートリーへ、聴く人の気持ちができるだけスムースに移っていくように組んだ。
どちらの学校でも子供たちと一緒に校歌を演奏し、それは素晴らしい時間だった。一つの学校の校歌には手拍子が入っていて、「言葉を発することのできない子供もいますから」という先生の言葉に、はっと胸をつかまれるようだった。

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青ヶ島は八丈島のさらに南に位置する人口200人に満たない島。厳しく、豊かな自然や、島の人々の間に流れる濃密な時間にほんの少しだけ触れ、そのような中で演奏できたことは、得難い経験となった。

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12月13日いわき芸術文化交流館アリオス、梅田俊明さんの指揮で、いわき市の小中学生を対象とした「ボクとわたしとオーケストラ」。
震災復興支援で始まった公演は毎年のものになっている。子供たちがオーケストラと一緒に歌う「ビリーブ」、いつも心洗われるのだけれど、その光景が4年ぶりに復活し、生き生きと歌う姿が嬉しかった。
公演の模様は来年1月28、29日に、FMいわきで放送されるそうです。

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12月19日サントリーホール、アントニ・ヴィトさんの指揮でペンデレツキの交響曲第2番など。曲の重い雰囲気は、作曲者の生きた時代を反映しているように感じる。ペンデレツキと、目の前で指揮をするヴィトさんの存在が重なり、印象深い公演となった。

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12月24日すみだトリフォニーホール、25日東京文化会館、26日サントリーホール、アラン・ギルバートさんの指揮で第九。

20年前、僕の新日フィル試用期間最初の演奏会がやはりアラン・ギルバートさんの指揮で、トリフォニーホールだった。
新日フィルにいた3年に満たない期間、右も左も分からずただ頑張っていた。誰かが頑張ってしまうと、時として演奏はスムースに運ばなくなる。当時そうしたことに考えが及ばなかった。あの振る舞いも、その振る舞いも、周りの人たちは仕事がしづらかっただろう、と思う。身にしみる経験ばかりだった。

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第九は大きな曲で、どう捉えたらよいのか、途方に暮れる年がある。一生懸命強く弾けばよい、というものでもないと思う。
今年の都響3公演、どの公演も気が付くと最後のページを弾いていた。短く感じたのは、緩徐楽章が速めのテンポだったことだけではなかったと思う。こんな僕にも何か少し、つかむものがあったのかもしれない。

新しい年が少しでも平和な年でありますように。

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2023年12月30日 (土)

2023年の公演を振りかえって (1)

今年の印象深かった演奏会を振りかえってみる。(特に記していないものは都響の公演です)


1月8日サントリーホール、小林研一郎さんの指揮でチャイコフスキーの4番など。
これまでのように強く、激しい音が求められるだろう、と思っていたら、小林さんは「そんなに強くお弾きにならないで」と仰り、驚いた。音楽の陰影がいっそう深く感じられる公演だった。

1月20日東京文化会館、ヨーン・ストルゴーズさんの指揮したマデトヤの交響曲。前半にシベリウスのヴァイオリン協奏曲があり、ソロはペッカ・クーシストさん。
シベリウスの協奏曲はヴィルトゥオーソピースで、ヴァイオリニストは鬼気迫った様子で弾く、という僕の印象を覆す演奏だった。リハーサル時のクーシストさんは、ほんの少し低めの音程で、感情的なヴィブラートはなく、一方で右手で弓のヴィブラートをかけているようにも見え、不思議な感じがした。
この日の白眉は彼がアンコールで弾いた二つの「Finnish traditional music」だったのではないかと思う。かすかに足音を響かせながら、音楽がホールに立ち昇っていく。自然な旋律と、体が動いて刻まれる拍、これがまさに音楽ですね、と感じた。
プロムスでの映像を見ると、聴衆まで巻き込む彼はただ者ではないことがわかる。

https://youtu.be/gpN2k5zz81o?si=DUMSqK3WKdpRns-Q

彼はオーケストラの演奏を興味深そうに見ていた。来年4月、再び都響に来る公演が楽しみ。

https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3776&my=2024&mm=4

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2月14日サントリーホール、ヤン・パスカル・トルトゥリエさんの指揮でフローラン・シュミットの協奏交響曲など。(ソロは阪田知樹さん)
ライブラリのIさんに「難しいよ」と言われていたけれど、久しぶりにすごいのが来た、と思った。難曲。音楽自体はロマンティックで美しい。ただ書法がとても込み入り、精密に書かれたスコアは理論的には可能だけれど、複雑な声部の重なりを聴き分けられる人はどのくらいいるだろう。
3日間のリハーサル、当日のゲネプロでも指揮者は頻繁に止め、一度も通すことなく本番を迎えた。あの日、皆が集中して演奏できたことは奇跡のようだった。

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2月23日サントリーホール、ディヴィッド・レイランドさんの指揮したシューマンの3番など。
繊細な指揮をするレイランドさん、ゲネプロではほとんど言葉を発さず、オーケストラを見事にひきつける演奏だった。

3月27、28日サントリーホール、大野和士さん指揮でリゲティ:マカーブルの秘密など。パトリツィア・コパチンスカヤさんが一大旋風を巻き起こした公演。
本番前の舞台袖で、彼女はあるオーケストラ奏者と話をしハグをした。どんな話をしていたのですか、と後で尋ねると、その奏者はヴァイオリン協奏曲で鍵となるパートを担当していたのだけれど、コパチンスカヤさんは、あなたの演奏に乗るから、と伝えたそう。常人離れした能力と舞台上での華やかなパフォーマンスの一方、このように細やかな気遣いがあることに心打たれた。

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4月13日サントリーホール、15日愛知県芸術劇場、16日大阪フェスティバルホール、大野和士さん指揮でマーラー7番。
僕にとって謎の多かった曲。少しでもその音楽に近づけただろうか。

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5月6日プリモ芸術工房、昨年に引き続き自分の演奏会。長尾洋史さんのピアノでブラームスの2番のソナタなど。
オーケストラの仕事をしていると、そこに全ての時間を使われてしまうほど広く、深い世界に入ることができる。一方、素の自分に向き合う時間も大切で、本番の舞台で自分がどうなるのか、どう動けるのか、実際に経験させて頂く機会は本当に有り難かった。
来年も5月、無伴奏のプログラムを考えています。

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5月12日東京文化会館、山田和樹さんの指揮で三善晃作品。
僕が桐朋に在学していた時の学長が三善先生。一度無伴奏の曲をレッスンして頂いたことがあり(デュティーユ:ザッヒャーの名による3つのストロフィ)、厳しい眼差しに圧倒された。卒業式での先生のスピーチもあたたかいものだった。
あの頃すぐ近くに、音楽の深さを体現された方がいたのに、そのことに全く気づいていなかったことを痛切に思う。

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7月14、15日サントリーホール、アラン・ギルバートさんの指揮でニールセンの5番など。
普段親しんでいるものとは異なる語法の音楽に触れることは、大変だけれど、素晴らしい経験だった。

7月19、20日東京文化会館、アラン・ギルバートさんの指揮でアルプス交響曲など。
変ロ短調で始まる、ただならぬ雰囲気の冒頭など、R.シュトラウスの作曲技法に感服するばかりだった。

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8月中旬、一宮市民会館、いつもとは違うオーケストラでモーツァルトのオペラ「魔笛」。
都響の公演は大編成のレパートリーが多く、モーツァルトのオペラを経験したことがなかった。貴重な時間だった。新しくはない一宮市民会館にはオーケストラピットや、見たことのない古い型の譜面灯がある。繊維産業で街が栄えていた時代に作られたのだろうか。
34年前、初めてオーケストラのエキストラの仕事をした公演がこのホールだった。あの頃、先の見通しなどまったくなく、ただ無我夢中だった。

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8月25日サントリーホール、杉山洋一さんの指揮で湯浅讓二さんの作品など。
大編成で演奏したクセナキスのジョンシェ、"non-octave scale"という初めて経験する音階で書かれ、沖縄民謡のようにも聞こえた。音楽の世界の広さを実感する公演だった。

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9月2日キッセイ文化ホール、5日サントリーホール、ジョン・ウィリアムズさん、ステファン・ドゥネーヴさん指揮のサイトウキネンオーケストラ。抜群の乗り心地の、豪華な音のする大きな乗り物に乗っているようだった。
91年か92年だったと思う、サイトウキネンを聴いた僕の父は、これが(齋藤秀雄)一門の音か、と感心していた。2023年夏のSKOは様々な国籍やバックグラウンドを持つメンバーで構成され、以前のような厳しさはないかもしれないけれど、広く、穏やかで、機能的だった。
映画音楽中心のプログラムの中、小澤さんのために書かれた"For Seiji"という曲は趣が異なり、技術的にも、音楽的にも難解だった。ジョン・ウィリアムズさんは、本当はこういう曲を書きたかったのでは、とも思った。
一つの演奏会に二人の指揮者が立つ。ドゥネーヴさんは言葉を尽くして長いリハーサルをし、一方、ジョン・ウィリアムズさんからの指示はあまりない。彼の明晰な表情はこちらによく伝わり、同じオーケストラでも驚くほど違う音がした。
ハリー・ポッターの音楽はチェレスタで始まる。リハーサルで初めてチェレスタの音が聞こえてきたとき、そこには特別な流れがあり、魔法がかかった、と感じた。

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2023年12月29日 (金)

新しいCDプレーヤー

CDプレーヤーを新しくした。

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すでに一度修理をしたリンのCDプレーヤーが、また再生エラーを起こすようになり、そういえば最近音がやせてきたな、と思っていたところ、まったく読み取りをしなくなった。

どうしてもメカの部分が壊れる。16年よく使ったから仕方ないのかもしれない。時間を見つけて試聴に出かけた。
オーディオ店で、そろそろCDプレーヤーというものは世の中からなくなりますか、と尋ねたら、店員さんは「日本人はモノが好きだからね」と言い、まだしばらく作られ続けるだろう、とのことだった。

音楽再生の主流はストリーミングサービス、あるいは目に見えないデータを扱うネットワークプレーヤーに移行していく、と思うのだけれど、ネットワークプレーヤーの完成度はCDプレーヤーに対してまだ、という状況らしい。

仕事の準備で様々な音源を聴く時は、僕もストリーミングサービスを使う。ただ同じ音源でも、ストリーミングをイヤホンで聴く時と、CDを丁寧にセッティングされたスピーカーで聴く時とでは、情報量が大きく違い、別物のように感じられる。

オーディオ店でいくつか試聴した。ハイエンドメーカーのローエンド(!)のCDプレーヤーは良かったのだけれど、今注文しても届くのは来年4月、と言われ、そもそも予算を遙かに越えているし、と諦めた。僕の部屋に置くには、寸法も大き過ぎる。

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音楽や音はどのように聴こうと自由だと思う。
実際に楽器から出る音が僕の基準になる。でももしそういう経験が少ない場合、人はどのような音を再生装置に求めるのだろうか。

CDプレーヤーが違うと、同じディスク、スピーカー、アンプで聴いてもずいぶん音が違う。
高価な機器なのに、再生音がスピーカーの周りにまとわりつき、もごもご言っているようで、こちらに飛んでこないものがあった。頑張って弾いているのに聴く人に音が届いていない、悪いときの自分の演奏が思い浮かび、身につまされるようだった。

結局NmodeのX-CD5が家に来た。それぞれの楽器固有の発音や響きがよくわかる。
12月26日の第九が今年の仕事納め。少しの休みに入り、以前から家にあるジャズのCDをかけてみて、こんなに楽しかった、と驚く。

2023年11月11日 (土)

7月の日経新聞から

2023年7月を振りかえってみる。

7月31日日経夕刊から、
『世界気象機関(WMO)と欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は2023年7月の世界の平均気温が観測史上で最高となる見通しだと発表した。観測記録のない太古の気候を探る研究者は「地球の平均気温はおよそ12万年ぶりの最高気温を記録した」と温暖化の進行に警鐘を鳴らす。』

7月6日日経朝刊に掲載された、英フィナンシャルタイムズ紙の記事から、
『世界の原生熱帯雨林の消失面積が2022年に前年比10%増加したことが新たな調査で明らかになった。全世界で木々が失われた面積の合計はスイスの国土に相当する。』

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7月12日日経朝刊から、
『世界を襲う熱波が広がり、干ばつや水害などの異常気象が増えている。世界の平均気温は過去最高を更新し、南米ペルー沖の海水温が上がる「エルニーニョ現象」で今夏は気温がさらに高まる可能性がある。専門家はエルニーニョによる経済損失は2029年までに最大3兆ドル(約420兆円)にのぼると見積もる。』
『国際学会「国際地質科学連合(IUGS)」の作業部会は11日、人類活動が地球環境に大きな影響を及ぼす時代「人新生」を20世紀半ばからの新たな地質年代とし、代表地にカナダ東部の湖を選んだと発表した。』

7月1日日経朝刊から、
『東京大と山梨県富士山科学研究所のチームは30日、これまで活動の空白期と考えられていた5千~4千年前に富士山が少なくとも6回噴火していたことを確かめたと発表した。山梨県側の麓にある山中湖の湖底で、未知の噴火による火山灰を確認した。』

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7月7日日経朝刊から、
『東京大学は米領グアム沖の深海で熱水が噴出する場所にある岩石から新しい細菌を発見した。細胞内に磁石を持ち、コンパスのように地磁気を感じて回転する「走磁性細菌」の一種だった。』

7月5日日経夕刊に掲載された中川恵一さんの「がん社会を診る」という記事から、
『1万年以上前から日本列島に住んでいた縄文人と、約2~3千年前に朝鮮半島から渡来した弥生人との混血が日本人のルーツといわれます。
47都道府県で縄文人由来と渡来人由来のゲノム比率を調査した研究があります。縄文人由来のゲノム成分比率が最も高かったのは沖縄県で、鹿児島、青森、岩手が続きました。渡来人由来のゲノム成分が最も高かったのは滋賀県で、京都や奈良などが続きました。』

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7月29日日経朝刊から、
『2022年の日本人の平均寿命は女性が87.09歳、男性が81.05歳となり、前年比で女性は0.49歳、男性は0.42歳それぞれ縮んだことが28日、厚生労働省公表の簡易生命表で分かった。前年を下回るのは男女とも2年連続。同省は「新型コロナウィルス流行の影響が大きい」としている。』

7月11日日経朝刊から、
『京都大学などは新型コロナウィルスの流行が未就学児にもたらした影響を解析した。5歳の時にコロナ禍を経験した幼児では、発達が平均で約4カ月遅れていた。3歳の時に経験した幼児では明確な差はなかった。
・・・5~6歳の幼児で発達が遅れた要因として、研究チームは他者との交流の減少を指摘している。』

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7月7日日経朝刊から、
『米フロリダ大学は宇宙飛行が脳に及ぼす影響に関する調査結果をまとめた。30人の宇宙飛行士を対象に調べ、2週間の短期飛行では変化しなかった「脳室」と呼ぶ部位の空間容積が6カ月の長期滞在になると拡大することなどが分かった。脳室の拡大で脳内の圧力が高まると、意識障害や視力障害などにつながる懸念がある。』

7月4日日経朝刊に掲載された「春秋」から、
『脳は使わなくなれば、しだいに機能が低下する。・・・狩猟採集時代が終わって農耕社会に移った後、ヒトの平均的な脳のサイズは小さくなった。約3000年前のことだ。2021年に米研究チームが発表した論文によると集団生活の影響らしい。』

7月27日日経夕刊から、
『「文字の形が覚えられず、中学生になっても書くのが苦手だった」。こう話すのは大学3年生の西川幹之佑さん(20)。読み書きに困難を感じる「ディスクレシア」だというが、一つの書体との出会いで見える世界が変わった。「UDデジタル教科書体」だ。・・・
 西川さんは明朝体など横線の細いフォントを識別しづらかった。しかし中学生の頃、UDデジタル教科書体だけは難なく読めることに気付く。「読めない自分がいけないと責める必要がないと思えた」と当時を振りかえる。』

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7月22日日経朝刊から、
『アイルランドで4千人を超す50歳以上の人たちの協力を得て10年近くかけて行われた研究では、運動していた人たちは運動をしていなかった人に比べて気分が沈み込みがちになる割合が明らかに少なかったという。うつ病の発症率でみると、4割以上少なくなっていた。』

7月14日日経朝刊に掲載された「AIは異星人の知性」というマルクス・ガブリエルさんの記事から、
『「我々の欲望は今や、監視資本主義のシステムにつくり出されているといえる。監視者はスマートフォンという独房にいる人々に情報を送り、特定の行動をするよう促してくる。スマホの利用者は監視者の意図が分からないまま無意識に動かされている。この新しいパノプティコンは非常に強力だ」
 ・・・・・
「ニヒリズムは『人間が存在することに意味はない』という。だが、私たちが生まれてきたことに意味があろうがなかろうが、神が存在しようがしまいが、我々は道徳的真実を見つけ出し、それを実践しなければならない。我々には未来を守る義務がある。それが『人生の意味とは何か』という問いへの私の答えだ。」』

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7月22日日経朝刊に掲載された若松英輔さんの記事から、
『・・・手だけで書かれた文章は、あるとき人を驚かすことがあっても、その人を生の深みに導くことはない。いっぽう、どんなに素朴な姿をしていても、その人の生に裏打ちされた言葉は、予想をはるかに超える働きをすることがある。』

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7月13と14日の日経夕刊に掲載されたお化け屋敷プロデューサー、五味弘文さんの記事から、
『お客様の心理に働きかける工夫としては、入り口で履いてきた靴を脱いでもらう方法があります。靴を脱ぐと人は何かを奪われたような感覚になって急に心細くなる。足の裏で床の冷たさを感じさせ、柔らかいとか硬いといった触覚を刺激するとそれが恐怖につながります。人はこうしたことで自分の身体が名状しがたいものにさらされるように感じ、恐怖を覚えるのです。』
『人間の恐怖心は持続せず、せいぜい10分が恐怖が続く目安とされています。このためお化け屋敷も入り口から出口まで体験時間として10分程度で企画され、料金は1000円程度が相場です。これはこれで長い間に確立された優れた娯楽の形態なのですが、もっと長く恐怖体験を味わえるお化け屋敷ができないかと考えています。』

7月21日日経夕刊に掲載された古書修復家、板倉正子さんの記事から、『書物修復の技術は、世界各地の専門家が創意工夫、試行錯誤を重ねながら進歩してきました。私が誇りに思うのは、それらの技術が基本的に公開され、共有されていることです。私たちも書物1冊ごとにカルテを作成し、どんな手当を施したのか、詳細に記録を残すようにしています。』

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7月10日日経夕刊に掲載されたセコマ会長、丸谷智保さんの記事から、『私どもの会社は北海道を基盤に1200店ほどのコンビニエンスストアを展開している。・・・
 コロナ禍に有ってもセコマの売り上げは堅調だったが、そのことを言いたいのではない。地域にしっかり密着してやってきたつもりだったが、「足元には、まだこんなにもお客様がいたのか」ということを、奇しくもコロナ禍で気づかされたのである。
 実際はマーケットはとても深い。商圏は平面に住む人口の多寡ではなく、いかにそのマーケットに浸透しているかによって変わってくる。500万道民が毎日来店してくれれば年18億人を超える。あれ?それって中国の人口よりも多い?』

2023年11月 9日 (木)

6月の日経新聞から

2023年6月を振りかえってみる。

6月30日日経朝刊から、
『オランダのラドバウド大学などは、新型コロナウィルスの流行で世界的に外出自粛などの対策が実施された2020年初めに、野生動物が自由に動き回っていたとの調査結果をまとめた。
 ・・・・・
 20年と19年の2~4月を比較したところ、ロックダウンなどで移動制限が厳しかった地域で動物の移動距離は平均73%長くなった。道路の交通量が減り、移動しやすくなったとみられる。』

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6月20日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの一部を鼻で感染させると、脳内炎症を引き起こすことがマウス実験で判明したと、東京慈恵医大のチームが19日までに米科学誌に公表した。倦怠感やうつ症状などのコロナ後遺症を発症する仕組みの一つとみられるという。既存の認知症薬がこうした症状を改善させる可能性があるとして、臨床試験を進めている。』

6月22日日経夕刊から、
『全米教育統計センターが21日発表した学力調査によると、中学2年生に相当する13歳の読解と数学の学力が新型コロナウィルス流行前と比べて大幅に下がったことがわかった。特に数学はもともと学力が低い生徒の落ち込み幅が大きく、人種別では低所得層が多い先住民や黒人、ヒスパニック系の低下が目立った。コロナ禍を経て学力格差が広がっている様子が浮き彫りとなった。』

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6月2日日経朝刊から、
『魚介類の水揚げが減り続けている。農林水産省の漁業・養殖業生産統計によると、2022年の漁業と養殖業の合計生産量は前年比7.5%少ない385万8600トンだった。減少は2年連続で、統計を取り始めた1956年以降の最低を更新した。海水温の上昇による環境の変化が影響を及ぼしている。』

6月19日日経夕刊から、
『食卓に欠かせないオリーブオイルの価格が急騰し、史上最高値を付けている。主産地のスペインで昨年夏以降の干ばつで原料となるオリーブの収穫量が半減。今年も平年を下回る降水量が続き、昨年に続く大不作の恐れが出ている。』

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6月29日日経朝刊から、
『カナダ東部で続く山火事の煙がスペインなど欧州西部に到達している。米航空宇宙局(NASA)の一般向け情報提供機関であるアースオブザーバトリーが26日、明らかにした。』

6月11日日経朝刊に掲載された世界気象機関(WMO)事務局長、ペッテリ・ターラスさんの記事から、
『「高温をもたらすエルニーニョの発生と人間活動による気候変化が相まって、地球の気温は未踏の領域に入るだろう」。2023~27年の予測を盛り込んだ最新の気候報告書の公表に合わせ、警鐘を鳴らした。』

6月28日日経朝刊から、
『世界気象機関(WMO)によると、2010年代に世界で発生した自然災害は3165件と、1970年代の5倍近くに増えた。うち8~9割は暴風雨と洪水が占める。気候変動による水の脅威の増加に世界全体が身構えている。』

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6月13日日経朝刊から、
『「国民病」となった花粉症による経済損失が3800億円を超える可能性があることが、民間試算で明らかになった。政府は5月に健康被害と経済損失を抑えるための対策を打ち出した。花粉発生源のスギの伐採や植え替えの促進を柱とする。』

6月11日日経朝刊から、
『海洋汚染で注目される小さく砕かれたごみ「マイクロプラスチック」。人の体内から見つかったという報告が相次ぎ、環境問題から健康問題へと広がりを見せている。形状や含まれる化学物質、体内に取り込む量など様々な要素がからみ、その長期の毒性の解明は簡単ではない。』

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6月23日日経朝刊から、
『京都大学は細胞を組み立てて立体的な組織をつくる「バイオ3Dプリンター」を使い、傷ついた指の神経を治療することに成功した。気道などの器官や臓器そのものを再生する研究も国内外で進む。20~30年後に臓器を作って移植する技術ができれば、健康寿命を延ばせる可能性がある。』

6月10日日経夕刊から、
『厚生労働省は10日までに、海外に渡航して臓器移植を受けた後に国内の医療機関に通院している患者が3月末時点で543人おり、うち25人の移植には4つの仲介団体が関与していたと明らかにした。・・・
 20年以上前に移植を受けた人も含め、過去5年間に38人が死亡、移植した臓器が機能不全になったのは25人だった。』

6月26日日経朝刊から、
『神経難病の一つ、パーキンソン病のため歩きにくくなってきた人にリハビリを行う際、歩くリズムに合わせて頭の外側から脳に電気刺激を与えることで歩行機能が改善したと、名古屋市立大などのチームが25日までに、英医学誌に発表した。』

6月23日日経朝刊から、
『東京農工大学とエステーなどは、特定の匂いを感じにくくする香料が存在することを実験で確かめた。香料があると鼻にある匂い物質の受容体が反応せず、悪臭でも感じにくくなった。』

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6月20日日経朝刊に掲載されたマレーシア元首相、マハティール・ビン・モハンマドさんの記事から、
『日本は不思議だ。米国に原爆を落とされたのに彼らとは友好国で、国内に米軍基地もある。なぜ中国や韓国と同じように親しくなれないのか。日本と中国、韓国には歴史的な問題はあるだろうが、過去に固執せず、今と未来を見据えて外交に臨むべきだ。残虐な歴史ばかりに目を向けると、過去に支配されてしまう。』

6月10日日経夕刊に掲載された歌人、馬場あき子さんの記事から、
『「女性の生き方には大変なものがあったけれど、60年前にはがんばれば良い世の中が来るという希望があった。今の歌人をかわいそうに思う。今は、歌いにくい時代です。複雑で、どこをどう愛したらいいかとても難しい」。』

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6月13日日経夕刊に掲載された医師、小笠原文雄さんの記事から、
『普段からお経を読んでいるので集中力がありました。お経を読んでいるといわゆるゾーンに入るんですね。だから勉強でもゾーンに入るんです。日曜日などに寺でひとりで勉強しているときに、檀家さんが訪れることがあります。しかし、勉強に没頭していて全く気が付かない。』

6月13日日経夕刊に掲載されたプロ野球ヤクルト、村上宗隆さんに関する記事から、
『王会長によれば、本塁打を量産しているとき、本人は案外淡々としているものだそうだ。なぜあんなに打てるのか、と周囲を驚かせても「本人にとっちゃ不思議じゃない。不思議じゃないから、もっともっと打てるわけでね。自分が感激したり、興奮したりしてるようじゃ打てなくなっちゃう」。』

6月3日日経朝刊に掲載された若松英輔さんの「セザンヌとモチーフ」という記事から、
『・・・少なくない言葉を発したあと、彼は最後にこういう。「要するに私というものが干渉すると、凡ては台無しになって了う。何故だろう」。』

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6月10日日経朝刊に掲載された若松英輔さんの記事から、
『経歴や過去の実績の話を得意げにされると興ざめになる。そこに立ち顕われるのは、影のようなもので、今、生きているその人ではない。過去を誇る人は、もっとも魅力があるのはかつて行ったことではなく、それらを昇華させ今、ここに存在しているその人自身であるのを忘れている。』

6月28日日経夕刊に掲載された将棋棋士、谷合広紀さんの記事から、
『この対局における藤井聡太七冠の凄まじさは、局面を一気にひっくり返す神の一手ではなく、相手がミスを犯しそうな局面に誘導する巧さにあった。相手にとって複数の有力手が見えるが、そのうちの一手が実は罠という局面にうまく誘導するのだ。こういった指し回しは現在の将棋AIを持ってしても定量化できていない部分である。正確な指し回しはもちろんのこと、人間的な勝負術にも長けているという点が藤井将棋の本当に恐ろしい部分だと思う。』

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6月9日日経夕刊に掲載された文筆家、寺尾紗穂さんの記事から、
『森崎和江「ははのくにとの幻想婚」に収録されている八幡製鉄所の労働者の聞き書きには、こんな言葉が出てくる。
「そりゃあ、おまえらが提出した資料や指令にもとづいてやっちゃいるさ。しかしな、鉄は生きもんだからな、計算器の結果どおりにいくかい。同じ原料でも炉の雰囲気が瞬間ごとに変化しているんだし、出てきたときはその度にかすかに質がちがうとばい。それを指令どおりに一律にやってみい。最後の工程じゃおまえの結果とは全然ちがうものになっているんだから」。』

2023年10月22日 (日)

5月の日経新聞から

5月を振りかえってみる。
5月3日日経朝刊に掲載されたフィナンシャルタイムズ紙の記事から、
『人口動態の節目が歴史上、これほど重大な意味を持つことはめったにない。インドは現在、ほぼ間違いなく、隣国で地政学的なライバルである中国を追い抜き、人口が世界最多の国になった。
 国連人口基金は4月19日、長年予想されてきたアジアの二大大国の人口逆転が今年半ばに起きることを確認し、インドの人口が14億2800万人を超え、中国を約300万人上回ると予想した。』

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5月27日日経朝刊から、
『国立社会保障・人口問題研究所が4月に公表した将来推計人口で、23年の日本人の出生数は最も実現性が高いとした中位推計で76万2000人。専門家からは23年に同推計をも下回るとの声が聞かれ始めた。』

5月23日日経朝刊から、
『総務省によると、2022年10月1日の総人口は1億2494万7000人で、前年に比べ55万6000人減少した。これは鳥取県の1県分の人数がまるごと減った計算となる。』

5月18日日経朝刊から、
『「生涯未婚率」が年々上昇している。50歳の男女のうち一度も結婚したことのない人の割合を指し、2020年は男性は28.3%、女性は17.8%だった。・・・
 1990年は男性は5.6%、女性は4.3%だった。』

5月2日日経朝刊から、
『2022年に日本で生まれた子どもの数は79万9728人。そのうち東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で生まれたのは23万1990人で全体の29.0%を占めた。
 およそ3人に1人が東京圏で生まれたことになる。1960年ごろは5人に1人程度、90年頃は4人に1人程度だった。』

5月29日日経朝刊に掲載された日本大学教授、中川雅之さんの記事から、
『日本は急速で大規模な人口減少を、高齢化を伴いながら経験しなければなりません。そのような中で豊かな生活を享受するためには、高い生産性を保持し、イノベーションによる創造を続ける必要があります。経済学は集積の経済を発揮できる都市という環境が、生産性の確保には必須だと考えています。』

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5月3日日経朝刊から、
『人工知能(AI)の研究をけん引し、この分野で「ゴッドファーザー」と呼ばれたジェフリー・ヒントン氏が米グーグルを退職したことが1日、明らかになった。・・・
 ヒントン氏はインタビューで「悪者がAIを悪用するのを食い止める方法がなかなか見つからない」と述べ、生成AIなどの急速な普及に警鐘を鳴らした。具体的には偽情報の拡散や人間の仕事を奪う可能性に言及し、さらに兵器に転用することにより人類への脅威になる事態などを懸念した。』

5月1日日経夕刊から、
『日本を含む29カ国のジェンダー(社会的格差)などを指数化し、各国の男女約8千人の脳データを分析すると、性差が大きい国ほど女性の大脳皮質の厚みが男性より薄い傾向にあることが分かった。京都大などの国際チームが11日までに米科学誌に発表した。性差が小さい国にはこうした傾向はなかった。』

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5月6日日経朝刊から、
『脳を持たないクラゲも満腹になるにつれて食欲にブレーキがかかる ー 。東北大の研究チームは、クラゲが満腹状態になると特定のホルモンが体内で分泌され、餌を口に運ぶ触手の動きを抑えることを発見した。「必要な分を必要なだけ食べる」という食欲調節のメカニズムは人間にも備わっており「生物が脳を獲得する以前の原始的な段階から、このメカニズムが存在した可能性がある」としている。』
『衝動や欲求を制御できずに窃盗を繰り返す「窃盗症」患者は、客がいないスーパー店内の風景など視覚情報が引き金となり、窃盗したい衝動を引き起こしている可能性があると、京都大の後藤幸織准教授(神経学)らのチームが国際学術誌に5日までに発表した。』

5月7日日経朝刊から、
『ドイツのミュンヘン大学などのチームは冬眠中のヒグマが長期間動かずに寝ていても、血管が詰まる血栓症になりにくい仕組みを解明した。冬眠中のクマの血液では血小板の特定のたんぱく質が約50分の1に減少し、血栓ができにくくなっていた。人でも体を動かせない脊髄損傷の患者は同じたんぱく質が少なかった。たんぱく質の働きを抑えることで、血栓症の予防法を開発できる可能性があるという。』

5月30日日経夕刊から、
『人の動きやリズムが意図せず他者と同調するのと同様に、ニホンザルも相手と自然にシンクロさせる傾向があることが分かったと、生理学研究所のチームが29日付の米科学アカデミー紀要に発表した。同調に関わる神経のメカニズム解明につながる成果としている。・・・
 また、サルの群れの中の序列と同調のしやすさを調べると、序列の高い個体が相手に合わせる割合が高かった。』

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5月16日日経朝刊から、
『「セミはこんなリズムで鳴くんだね」。ヘアピン型の「Ontenna(オンテナ)」は聴覚に障害がある人でも「音」を体感できるデバイスだ。髪の毛や耳たぶに装着すれば、音を256段階の振動に変換して感じ取れる。富士通の本多達也氏の熱意から生まれたこの製品は、全国8割以上のろう学校に導入されている。』

5月12日日経朝刊から、
『シイタケを育てる過程で細かい振動を与え続けると成長が促進される ー 。そんな研究結果を、森林総合研究所東北支所などのチームがまとめたことが、11日分かった。農家は慣習的に原木などをたたいて振動させていたが、効果的な条件を科学的に実証したのは初めて。収穫までの期間短縮が期待される。』

5月19日日経朝刊から、
『住友林業や京都大学は、宇宙空間で木材が劣化しにくいことを確認した。2024年にも打ち上げる人工衛星に使って有用性を確かめる。単純な構造で故障しにくい人工衛星の実現につながる可能性がある。』

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5月23日日経夕刊から、
『「日本雁を保護する会」などは22日、絶滅危惧種のシジュウカラガンに発信器を装着して追跡する調査をした結果、越冬地の宮城県北部と、繁殖地の千島列島との間約2千キロを行き来する経路を初めて解明したと発表した。』

5月27日日経夕刊から、
『北海道で新種の鉱物が見つかり、「北海道石」と命名したと、相模中央化学研究所と東海大、大阪大の研究チームが26日、発表した。紫外線を当てると鮮やかな黄緑の蛍光を発するのが特徴だ。
 ・・・2022年に成分を調べ、紫外線により蛍光する炭化水素と突き止めた。地層中の植物の化石が地下の熱を受けてできたとみられ、同じく化石が由来とされる石油の生成の仕組みを解明する手掛かりになる可能性がある。』

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5月8日日経朝刊掲載の「春秋」から、
『政治家から庶民に至るまで、終戦時の日記集を監修した永六輔さんはその筆の多くが冷静であることに驚き、こうつづった。「戦争だろうが平和だろうが、毎日の暮らしそのものは二十四時間ずつの繰り返しで本質的には変わらないのだろうか」
 ・・・・
『「病むことにより、今までよく知らなかった自己がわかる」。100歳を超えてなお診療を続けた医師、日野原重明さんの言葉である。だから「病もまた益なのだ」と説いた。』

5月15日日経夕刊に掲載された広陵高校硬式野球部監督、中井哲之さんの記事から、
『子どもは多分、監督の背中を見て育つんです。僕の口(言葉)で育つわけじゃない。口のうまい人は世の中に多いが子どもはゴマすりみたいになっちゃいけんし。負けたときの慰めの言葉?ないです。』

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5月25日日経夕刊に掲載された星野リゾート代表、星野佳路さんの記事から、
『「組織図的なフラットさではなく、偉い人のいない会社をつくろうと目指してきました。私や総支配人ら意思決定をしている人間が偉いわけではないと言うことを、ルールではなく文化にしてきました。文化にするためには、実は形から入ることが大切です。新入社員も『さん』付けで呼び合います。私を『よしはるさん』と呼ぶスタッフも少なくありません。私も総支配人も、専用の部屋を持っていませんし、机が特別大きいわけでもありません。『偉い人信号』を出していると、フラットな人間関係からかけ離れていきます。」
「経営にはリーダー個人の資質に基づくアートの部分と、理論に基づくサイエンスの部分があります。アートの部分を極力なくし、サイエンスの部分をできるだけ大きくしていくのがリーダーの役割だと考えています」』

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5月29日日経朝刊に掲載された、第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した坂本裕二さんの記事から、
『「赤信号で前のトラックが止まった。青になったのに動こうとしない。私は軽くクラクションを鳴らした。やがて動き出すと、横断歩道に車椅子の人がいた。私にはトラックで車椅子の人が見えなかったが、クラクションを鳴らしてしまった。そのことをずっと後悔していた。私たちが生きている上で見えていないものがある。それを理解していくにはどうすればよいか。そんなことを物語にしたいと思っていた」』

2023年8月18日 (金)

耳を開く

教えている大学オーケストラのチェロパート(いま夏休み中で、しばらくすると合宿があります)に向けて書いた文章を下記に。少し手を加えてあります。


・・・・・・・


チェロの皆様


今回は少し専門的なことを書いてみたいと思います。興味の持てるところまで読んで頂けたら幸いです。

ご存じの通り、管弦楽作品には多くの楽器が使われ、多くの音があります。
同時に多くの音が鳴っている時、その多くの音をどうとらえて、どう聴いているのか、きっと人によって驚くほど、違うと思います。
ピアノの経験がある人は、より多くの音を同時に聴けているのではないか、と思います。あるいは、たくさんの楽器の中で1本の旋律線だけ、好きな楽器の音だけ、自分の楽器の音だけ、聴いているかもしれません。

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音楽はどのように聴いても自由ですが、オーケストラの中でチェロを弾く時には、周りで起きていることをできるだけ正確に把握し、それに対して適確にふるまうことが大切と思います。
急にはできませんが、時間をかけてこつこつ続けると、少しずつ同時に耳に入る楽器の数が増え、同じ曲が違って聞こえてくるのではないか、と思います。是非それを経験して頂きたいです。

最初から耳だけで多くの音を聴き分けるのは難しいので、目の働きを借り、スコアを開いてみましょう。
楽器が多すぎず、少なすぎず、構成の見えやすい曲、例えばベートーヴェンの交響曲第5番(「運命」と呼ばれます)、ブラームスの1~4番、ドヴォルザークの8、9番、チャイコフスキーの5番などが良いのでは、と思います。
図書館などで借りるか、それほど高価なものではないので、好きな曲を見つけて買ってもよいかもしれません。知っているつもりの曲は、数年たってもう1度触れると、まるで違った顔で現れます。1冊のスコアは長い時間、輝きを保ち続けます。

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交響曲1曲の中には本当に多くの音が書かれています。1度に全部を見るのはなかなか大変なので、まず一つの楽章を読んでみましょう。できるだけ丁寧に、時間をかけて。頭ではなく体に取り込むように。1日に一つのパートで充分かもしれません。
広く浅く、多くのことに触れるより、一つのことを徹底して身につける方が、結局早いと思います。

音を聴きながら、スコアを眺め、まず耳に入ってくる主要な動きを追いましょう。第1ヴァイオリンやオーボエ、フルート、といった楽器が担っていることが多いです。その主要な動き(旋律)は様々な楽器に移り変わっていきます。

その曲の外観を眺めたら、次は5部の弦楽器を見ましょう。
オーケストラは4つの楽器群、弦、木管、金管、打楽器に分かれていますね。人数の多い弦楽器は、オーケストラの母体を形成しています。まず弦楽器の中で主要な動きを担っているパートを追いましょう。根気と時間のある人は第1ヴァイオリンから順に、全てのパートを追うと、きっと様々な発見をするのでは、思います。

第1ヴァイオリンは何と言っても花形です。第2ヴァイオリンとヴィオラは旋律の3度音程下で支えたり、ハーモニーを構成したり、リズムを作ったり、フレーズの変わり目で次への橋渡しをしたり、目立ちませんが、とても興味深いパートです。作曲家の考えに触れられる気がします。
チェロを聴く時は同時に、コントラバスの動きも追いましょう。コントラバスと同じ動き(ユニゾン)の時は、オーケストラ全体のバス(低音)を担っています。その時はコントラバスの響きの中に入り、オーケストラを支えるイメージを持ちましょう。そうでない時は輝かしい高音で旋律を弾いたり、対旋律を弾いたり、ヴィオラのように中声部を担当したりしています。ドヴォルザークの「新世界より」ではコントラバスとチェロの役割が逆転しているフレーズがあります(珍しいケースと思います)。全体の中の、自分の立ち位置を把握してみましょう。

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次は木管楽器を。
オーボエ、フルート、クラリネット、ファゴットの4つの楽器があります。音域で言うと、オーボエとフルートはヴァイオリン、クラリネットはヴィオラ、ファゴットはチェロに重なります。
弦楽器群と木管楽器群は似た使い方をされることも、違う使い方をされることもあります。同じ高音楽器のオーボエとフルートが、音色によってどう使い分けされているのか。ピッコロフルート、Esクラリネット、バスクラリネット、コントラファゴットといった高音、低音楽器がどのように使われているのか(重要な部分を強調しているかもしれません)も聴いてみましょう。

西洋音楽の重要な要素の一つに和音があります。
和音は3つ以上の音から構成されますが、基本となる三和音も、さらに一つの音を重ねて、4つの音で鳴らすと(例えば、ド・ミ・ソをド・ミ・ソ・ドに)、充実して安定した響きになります。
弦楽四重奏、混声四部合唱、4種類の木管楽器、ホルンも4本のことが多いです。

ホルンを聴いてみましょう。
4本の場合、この楽器の中でハーモニーが完結することがあるかもしれません。旋律や対旋律など重要な役割を担うことも多く、またチェロとユニゾンのこともあります。

トランペット、オーケストラの花形です。1番トランペットはよく聞こえます。2番3番が重要な働きをしていることがあります。注意深く聴いてみましょう。

トロンボーン、オーケストラで最も音の大きな楽器の一つと思います。大音量は自然と聞こえてきますが、例えばドヴォルザーク8番の冒頭のように、中声部で美しいハーモニーを作っていることもあります。表に出ていない時にも着目してみましょう。

ファゴット、ホルン、トロンボーンはチェロと音域が重なる楽器です。チェロと同じ動きをしているのか、違うのか、違う時はどう違うのか、そうしたことに興味を持って聴いても、楽しいかもしれません。

チューバ、ここぞという時に使われる印象があります。もちろん、静かな場面でも効果的に使われます。
例えば、「新世界より」では、静かな第2楽章にだけ、出番があります。また、ブラームスの2番の第1楽章、ヴァイオリンの主題で音楽が動き始める直前に、トロンボーン、バストロンボーン、チューバ、チェロで和音を構成します。その時のそれぞれの楽器の使われ方はとても興味深いです。

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打楽器、ティンパニを始め、様々な楽器がありますね。
ティンパニが使われるのは、曲の鍵となる場面が多いです。大音量の時はもちろん、小さい音で使われている時にも着目しましょう。作曲家がその音楽をどうとらえているのか、骨組みが見えるようです。

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例えばブラームスの4番ではトライアングルが絶妙な感じで使われます。作曲家の音のイメージが見えるようです。
「新世界より」やブルックナーの7番では、全曲中で1回だけシンバルの出番があります(版にもよります。ブルックナー8番では2回)。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番では、終楽章のシンバルの使われ方が印象的です。
打楽器の一音がオーケストラ全体の雰囲気を一変させることがあります。(チェロにはなかなかできないことです)

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ハープが使われている時は、もちろん注意を向ける必要があります。

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多くの人が参加し、多くの楽器から音が出るオーケストラでは、お互いの音をよく聴き、できるだけ速く、柔軟に反応することが必要と思います。
オーケストラを自動車に例えてみます。良い自動車とは何でしょうか。多くの部品で構成されていますが、全体が調和し、スムースに快適に動くものではないか、と思います。

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他の楽器の人には怒られるかもしれませんが、チェロをエンジンに見立ててみましょう。自分の技術を磨き上手になることは、エンジンを高性能にすることに似ています。でもそのエンジンが周囲と調和していなければ迷惑にもなります。
雨や雪の日は、エンジンのパワーはゆっくり慎重に上げなくてはなりません。難しいカーブを曲がる時も、アクセルの繊細な操作はきっと重要です。一方、リスクを背負い先頭に立ち、全力でオーケストラを引っ張らなくてはならないときもあります。
チェロ、という楽器からの視点ではなく、離れたところからオーケストラ全体を見ると、今自分が何をしなくてはならないのか、見えやすくなると思います。

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おそらく授業で習ったのでは、と思いますが、西洋音楽にはソナタ形式、という形式があります(乱暴に言うと起承転結のようなものです)。このことを理解しておくと、長大な交響曲でも、自分の現在位置がよりつかみやすくなります。

長くなりました、その話はまた別の機会にしましょう。

2023年8月16日 (水)

4月の日経新聞から

4月を振り返ってみる。

 

4月18日日経朝刊から、
『タイヤ世界大手の仏ミシュランのフロラン・メネゴー最高経営責任者は、タイヤの摩耗により生じる粉じんが規制される見込みの欧州連合の新たな排ガス規制に関して、「我々が長年取り組んできた課題だ」との認識を明かした。タイヤ業界では事業への懸念もあがるが、粉じん抑制をめぐる規制のあり方について、同社がリードしていく考えも強調した。』

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4月20日日経朝刊から、
『国連人口基金は19日、インドの人口が2023年半ばに中国を抜いて世界最多になるとするデータを公表した。インドは14億2860万人、中国は14億2570万人と推計しており、インドが約290万人上回る。』

4月27日日経朝刊から、
『国立社会保障・人口問題研究所は26日、長期的な日本の人口を予測した「将来推計人口」を公表した。2056年に人口が1億人を下回り、59年には日本人の出生数が50万人を割る。』

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4月10日日経朝刊から、
『東京都が新型コロナウィルス感染症に関して都内に住む20~70代にアンケートを実施したところ後遺症を疑う症状が2カ月以上あったとする回答が25.8%に上った。割合は若年層ほど高かった。』

4月13日日経朝刊に掲載された、英国薬剤耐性特使サリー・デイビスさんの記事から、
『薬剤耐性(AMR)関連の死者数は世界で年間400万人以上に達する。心臓病、脳卒中に次ぐ死因の第3位となっており、「静かなパンデミック」とも呼ばれる。新型コロナウィルスの感染拡大に気をとられている間に抗菌薬の使用が韓国などで劇的に増えた。結果として病原菌の耐性は高まり、状況は悪化したと考えられる。』

4月1日日経夕刊から、
『内閣府は31日、自宅にいる15~64歳のひきこもりの人は、全国に146万人との推計値を公表した。半年以上、家族以外とほとんど会話をしないなどの人と定義。5人に1人が新型コロナウィルスを原因に挙げた。』

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4月18日日経朝刊から、
『人工知能開発スタートアップのアラヤとホンダ子会社の本田技術研究所は自動車運転時の脳活動の分析に成功した。運転が得意な人は物体の位置や動きを把握する能力が高く、危険予測が早いことがわかった。・・・
 ・・・運転が上手な人は空間認知をつかさどる脳の部位が一般の人よりも早く反応していた。』

4月24日日経夕刊から、
『国立障害者リハビリテーションセンターによる発達障害者の感覚をめぐる調査で、特定の音が苦手といった聴覚過敏が「最もつらい」との回答が53.7%を占めたことが分かった。複数人の会話が苦手な人も見られる。』

4月5日日経夕刊から、
『氷で患部を冷やす「アイシング」は、けがの程度が軽い場合は筋肉の回復を促すとの研究結果を神戸大の荒川高光准教授らのチームが5日までに発表した。チームによると、これまでアイシングの効果について十分な科学的根拠は示されていなかった。』

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4月22日日経夕刊から、
『地球の約6分の1である月面の重力があれば、体を支える筋肉の量が減るのを抑えられる一方、持久力が弱まるといった筋肉の質的な変化は抑えられないとの研究結果を、筑波大と宇宙航空研究開発機構のチームが21日、発表した。将来の有人月探査などに向けた基礎データになるとしている。』

4月19日日経夕刊から、
『脳は、目で見た物から刺激を受ける。その反応を分析し、人の手ではなくコンピューターによって、見た物を画像にする研究を大阪大の高木優助教(システム認知科学)らが進めている。・・・
 まず見た刺激を受け取るのは後頭部にある初期視覚野。この反応から粗い画像を作り出す。
 次に見た情報を解釈するのが脳底部の高次視覚野。この反応から「クマ」や「空を飛ぶ飛行機」などの意味を読み取る。2つを組み合わせて画像化する。』

4月23日日経夕刊から、
『京都大病院の池口良輔准教授らのチームは25日までに、細胞を材料にして立体的な組織をつくる「バイオ3Dプリンター」で細かい管を作製、手の指などの神経を損傷した患者3人に移植する治験を実施し、神経の再生を確認したと発表した。副作用や合併症はなかった。』

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4月2日日経朝刊から、
『探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った試料を調べた初期分析が完了した。液体の水やアミノ酸といった生命の起源に迫る物質を見つけたほか、太陽系の成り立ちを知る手がかりを得た。』
『東北大学などの研究チームは森林の地面に生えたキノコに電極を取り付け、会話とも思える電位の変化をとらえた。雨をきっかけに電位が大きく変化し、隣のキノコに伝わっていた。』

4月9日日経朝刊から、
『長崎大学などの研究チームは海底に生息する甲殻類の一種である「オオグソクムシ」が1回の餌で約6年間生きられるだけのエネルギーを摂取できる可能性があることを突き止めた。最大で体重の45%にあたる量をとるという。・・・
 水温セ氏10.5度で、一般的な大きさの体重33グラムの場合、1年間のエネルギー消費量は約13キロカロリーだった。ご飯に換算すると10グラムにも満たない。』

4月26日日経朝刊から、
『災害時に飛行機型ドローンを飛ばし、被災状況を高速撮影する活動を続けるNPO法人「クライシスマッパーズ・ジャパン」。古橋大地理事長は撮影した地図データを国や消防などに提供、救助活動を後方支援する。』

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4月27日日経夕刊から、
『身長約6.1メートルの巨体とまっすぐに伸びた白い手足、無表情の顔。名古屋駅前の巨大マネキン「ナナちゃん」が今月28日、50歳の誕生日を迎える。百貨店の宣伝のために建てられたが、やがて駅のシンボルに成長した。』

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4月25日日経夕刊から、
『月刊音楽誌「レコード芸術」が7月号(6月20日発行)で休刊すると発表し、波紋が広がっている。・・・
 ピーク時には月間約400作品のクラシックCDが発売され、批評の対象となっていたが、現在は100作品ほどまでに減り、レコード会社からの広告出稿が落ち込んだという。読者の85%が50~70代で高齢化も進む。』

4月18日日経夕刊から、
『時間貸し駐車場(コインパーキング)の駐車料金が上昇している。新型コロナウィルス下で駐車場数が減った中で利用が回復し、東京23区では平均料金がコロナ流行前を約1割上回る。』

4月30日日経朝刊から、
『ChatGPTなど話題の生成人工知能(AI)は人間のような自然な文章やイラストをつくりだす。脳の神経回路の働きをモデルとする「深層学習(ディープラーニング)」と呼ぶ技術が基盤となる。登場して20年近くたつが、なぜ優れているのかはわかっていない。数学や統計学を駆使して謎解きに挑む研究が進んでいる。
 「深層学習はなぜうまくいくのか。正直に言えば、よくわからないところがある」。深層学習の原理解明に取り組む東京大学の今泉允聡准教授はこう話す。』

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4月29日日経プラス1に掲載された小説家、小川洋子さんの記事から、
『「物語は世界のどこかに、ひっそりとあらかじめ存在しているのだと思います」。例えばそれは、はるか遠い場所にある太古の時代からの洞窟の壁画のようなもので、誰かが見つけてくれるのをひそかに待っている。「自分はなんとか洞窟にたどり着いて、それを描写するだけ」』

4月3日日経夕刊に掲載されたハイデイ日高会長、神田正さんの記事から、
『私も中学生と偽り、小学6年生から4年間、週末はキャディーをして家計を支えた。・・・
 貧乏暮らしでツイてない人生だと思ったが、人を見極める目を養えたのは収穫だった。クラブの受け取り方などちょっとしたしぐさに人格は表れる。飲食店を出店するときには大家から多額の保証金を求められる。返還されるとは限らないのだが、大家を見る目には自信があった。これまで一度もだまされたことはない。』

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4月13日日経朝刊に掲載された、村上春樹さんの記事から、
『「・・・僕自身は意識と無意識を行き来するうちに立体感をつかむという方法論をとっており、それまでの日本文学の流れとは異なる。・・・」
 「影というのは潜在意識の中の自己、もう一人の自分なのですね。相似形であると同時にネガでもある。それを知ることは自分を知ることになる。とりわけ長編小説を書く場合は(潜在意識を)深くまで掘っていく必要がある」
 「40年でフルマラソンを40回走った。体力は大事。もし走っていなかったら人生がどうなっていたかわからない。・・・」』

2023年7月 9日 (日)

3月の日経新聞から

3月を振りかえってみる。

3月21日日経朝刊から、
『国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が20日公表した報告書は、各国の温暖化対策の遅れに危機感をにじませた。産業革命前に比べた世界の気温上昇は2030年代初めにも抑制目標の1.5度に達すると予測した。温暖化が進むほど水不足なども深刻になる。』

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3月1日日経朝刊から、
『厚生労働省が28日に公表した人口動態統計(速報)では、2022年の国内の死亡数、前年比の死亡増加数共に戦後最多となった。新型コロナウィルスによる死亡に加え、心不全などで亡くなる高齢者が急増している。
 22年の国内の死亡数は158万2033人で、前年より12万9744人(8.9%)増えた。』
『厚生労働省は28日、2022年の出生数が外国人を含む速報値で前年比5.1%減の79万9728人だったと発表した。80万人割れは比較可能な1899年以降で初めて。』

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3月21日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの抗体保有率が全国で42.3%に上ることが、厚生労働省の調査で分かった。2月19~27日にかけて実施し、献血した人のうち一定の条件を満たした全国1万3121人から協力を得た。2022年11月に実施した調査から13ポイントほど上昇した。
 ・・・・・
 都道府県で結果に差がみられた。最も高かったのは福岡県で59.4%。沖縄県が58.0%で続いた。最も低かったのは岩手県で27.4%だった。』

3月26日日経朝刊から、
『米マッキンゼー・アンド・カンパニーは新型コロナウィルスによって2022年に米国の労働力が0.8~2.6%損なわれたとの試算をまとめた。』

3月30日日経朝刊から、
『会計検査院によると、新型コロナウィルスのワクチンの国内の接種実績は2023年1月時点で約3億7900万回分に上った。
 一方、有効期限切れによる廃棄や、需要減によるキャンセルも相次いだ。・・・21年度までに確保した8億8200万回分の3割が使われなかったことが判明している。』

3月6日日経朝刊に掲載された、モデルナ、ムーア最高科学責任者の記事から、
『人が感染しうるウィルスとして特定されているのは225あるが、ワクチンの開発されたのは25にとどまる。我々は全てのウィルスに対しワクチンを開発していきたい』

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3月11日日経夕刊から、
『気象庁は11日までに、東日本大震災の余震域で、昨年3月11日から今年2月28日までの約1年間に震度1以上の有感地震が計510回あったと明らかにした。マグニチュード4.0以上は計240回だった。
 ともに直近2年よりも増えたが、気象庁は全体としては減少傾向とみている。』

3月11日日経朝刊から、
『東京電力福島第1原子力発電所の事故処理費用が膨張を続けている。会計検査院によると2021年度までに約12兆円が賠償や除染、廃炉作業などに措置された。賠償や除染などの費用は22年度までに年1兆円規模となった。東日本大震災から11日で12年を迎えるが、廃炉や除染の道筋はなお見通せない。』
『東京電力は核燃料が溶けて固まった溶融燃料(デブリ)について、23年度後半に福島第1原発2号機からの取り出しに着手する。・・・
 東電などによると、事故で燃料が溶けた1~3号機全体でデブリは推計880トンある。』

3月17日日経朝刊から、
『ドイツが4月に「脱原発」の目標を達成する見通しになった。ショルツ首相は日本経済新聞の取材で、国内に残る原子力発電所3基の稼働を完全停止する方針を示した。「延長の選択肢はない」と明言し、脱炭素社会の実現に向けて風力などの再生可能エネルギーで国内電力を賄うと強調した。』

3月27日日経朝刊から、
『環境省は日本海溝・千島海溝沿いで想定されるマグニチュード9級の巨大地震に伴う住宅がれきなどの災害ごみは最大で2717万トンに達すると推計した。処理完了に3年かかった東日本大震災の約2千万トンを上回る。』

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3月3日日経朝刊から、
『政府による通信遮断や検閲によってインターネットの世界が分断する「スプリンターネット」が深刻になっている。米人権団体のフリーダムハウスが2022年にまとめた報告書によると、世界のインターネットの自由度は12年連続で悪化した。』

3月29日日経夕刊から、
『米国務省のパテル副報道官は28日の記者会見で、ロシアとの核軍縮条約に基づく一部の情報提供を停止すると明らかにした。ロシアが条約の履行を停止し、米国も対抗措置をとる。』

3月17日日経朝刊に掲載されたUSナショナル・エディター、エドワード・ルースさんの記事から、
『少し頭の体操をしたい。もし台湾が存在しなかったとしても米国と中国は対立していただろうか。筆者の直感では「イエス」だ。覇権国と新興勢力が対立するのは人類の歴史の一部と言っていいからだ。』

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3月29日日経夕刊から、
『名古屋大などのチームは、石川、三重、鳥取の3県の海で青紫色に発光するゴカイを新たに3種発見したと29日付英科学誌に発表した。青紫に光る生物は世界的にも珍しいといい、名古屋大の自見直人助教(分類学)は「発光のメカニズムを明らかにしたい」としている。』

3月5日日経朝刊から、
『日本で将来のノーベル賞候補となる先端研究人材が減っている。世界で注目される論文数はピークから2割近く減り国別順位で12位と2000年代前半の4位から後退した。』

3月25日日経朝刊プラス1に掲載された、デジタル認知障害の記事から、
『専門家が注目する原因の一つは01年にワシントン大学のマーカス・レイクル博士が発表した研究成果だ。レイクル博士は脳の活動を画像化する研究で、脳は「ぼんやり」しているときも相当なエネルギーを使っていることを解明。このとき脳は何もしていないのではなく、入力された情報を整理し、最適な答えを出したり重要なことだけを記憶したりする。これを「デフォルト・モード・ネットワーク」と名づけた。
 常にスマホを使っていると脳の中を整理する時間がなくなり「脳の中がゴミ屋敷のよう」になる。認知障害だけでなく「興味のないことには意欲がわかない」新タイプの「うつ」の原因にもなっているという。』

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3月10日日経夕刊に掲載された、オリックス山本由伸投手の記事から、
『不安を感じる中で個人的にトレーナーに師事。ウエートトレーニングに頼らず、ブリッジに様々な動きを組み入れた体操や、やり投げのような器具を使った遠投を練習メニューに採り入れた。体の深部から鍛え、全身の筋肉や骨の連動性を高めるトレーニングを継続してきたことが、今の飛躍につながっている。』

3月30日日経朝刊から、
『慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任教授らによる研究チームが、箱根駅伝などで活躍する青学大陸上競技部(長距離ブロック)の男子学生48人と同年代の一般男性10人の腸内フローラの比較調査を行ったところ、学生たちには「Bacteroides uniformis(バクテロイデス・ユニフォルミス)」という細菌が一般男性に比べ、約10倍多く生息していることが明らかになった。学生のうち25人の3000メートルの記録を比べると、上位者ほどこの細菌数が多くなる傾向も分かった。』

3月29日日経夕刊から、
『ギターを弾く際に重要なのが、利き手で弦をはじく動作の「ピッキング」。この軌道や良しあしについて、腕時計のような形の装置を使ってパソコン画面上に表示する方法を、東京都在住のロックギタリスト、加茂フミヨシさんが考案した。「これまで説明困難だった『暗黙知』の技術を可視化でき、演奏習得の効率化につながる」と説明。ギターレッスンなどに活用したい考えだ。』

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3月23日日経夕刊に掲載された宮大工、小川三夫さんの記事から、
『「未踏に挑むからこそ、そこに知恵が生まれます。力のある人は力で物を動かそうとするので、力以上の物を動かすことはできません。力のない人はそこで知恵を働かせ、工夫をするから力以上のものを動かすことができるようになります。私はそのことの方が大切だと思います。飛鳥時代には材木を山から切り出して、現場まで運ぶだけでも大変なことで、多くの知恵を働かせなければできませんでした。」』

«役所広司さん、シュタルケル、F.P.ツィンマーマン