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2009年2月11日 (水)

2月3日の近況報告

1月23日に演奏したロッシーニのデュオは学校を出たての頃よく弾いて、以来なかなか機会がなくずっと弾きたいと思っていた。シンプルなつくりは、内容を追求するというより、素材の良さを生かしたい感じだ。美味しいパスタをずっと食べていたい気持ちに似ている。

ロッシーニは華々しい成功をおさめた後、37歳で作曲の仕事から離れて、美食追求の道に入ったらしい。今の僕は38歳で、相変わらずチェロを始めたてのようにいろいろなことができず、毎日あぁすればこうすれば、とさらっている。
弓で弾く弦楽器は難しいと思う。音楽の源は声で、声に楽器はかなわないし、息を使う管楽器はやはり旋律を歌うのに向いている。自分の録音を聴くと、下げ弓と上げ弓の音の差がはっきりわかってがっかりすることがある。
上手な人たちは弓で弾くことの長所をよく知っていて、実に効果的に使っていることに最近やっと気がついた。弦楽器でしか出せない音のスピードや粒立ちがあると思う。先日ウト・ウギ氏を見ていて、弦楽器の国の人だと思った。彼はただまっすぐ弓を動かしているようにしか見えないのに、音がホールいっぱいに魔法のように立ち昇った。

右手や左手の困難に気をとられて、実際に出ている音を聴いていないことが本当によくあり、それも困る。一生懸命ごしごし弾くことは、残念ながら時として意味のないことも多いというのもわかってきた。横浜で弾いたロココの録音を聴いて、軽く弾いた音のよく飛んでいることに驚いた。強く弾くと、確かに音の緊張感は増えるが、音量は大して増えない。

ではどう弾くか、というのがこのところの楽しい問題だ。

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