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2009年3月11日 (水)

さらに重なった入れ子を

最近「ノルウェイの森」を再読した。
「ノルウェイの森」は僕が高校生の時にベストセラーになり、同級生に借りて読んだ。時のベストセラーを、しかも上下巻が赤と緑の美しい装丁をまとった本を読むことが、その頃の僕には気恥ずかしくて、それにやはり刺激的だったし、とにかく筋だけ追ってひたすら早く読み終わり、わかったような顔をして同級生に返したのだと思う。

小説の主人公の年齢は10代の終わりから20歳にかけて、それを書いた村上春樹さんは確か37歳だったはずだ。
18歳の時に読んだ小説を、38歳になった僕がもう一度読むのは、さらに重なっている入れ子を解き明かすようだった。ほとんどおぼえていないのに、なぜかよく知っている話を、18歳のどうしようもなく脆かった僕を思い返しながら読んだ。
「ノルウェイの森」の文章はいつも人の死を負っている。それがなぜなのか、村上さんのエルサレム賞受賞のスピーチを読んで、少しわかったような気がした。

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