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2009年4月11日 (土)

ラロの協奏曲

4月10日の都響定期のソリストは堤剛先生でラロのチェロ協奏曲。
うまく表現できないのだけれど、音楽の真ん中にあるまっすぐな道を進んでおられるような、素晴らしい演奏だった。いつお会いしても、僕のような者にさえ敬語を使われるので恐縮してしまう。演奏だけでなく、あたたかいお人柄や機知に富んだ冗談など、本当に素敵な方だ。

ラロの協奏曲で忘れられないのは94年にアメリカのアスペン音楽祭でイェフダ・ハナーニさんに受けたレッスンのことだ。
初めて行ったアメリカで右も左もわからずうろうろしていた僕は、バッハの5番とラロを受けたのだと思う。ラロを弾いたのは公開レッスンで、そのレッスンのインフォメーションは毎週発行される分厚い音楽祭のプログラムに挟まれた紙切れ一枚でしかないのに、レッスン場は明らかに専門的には音楽に関わっていない人たちでいっぱいだった。アスペンが高級リゾート地であるにしても、一般の人たちがチェロの公開レッスンに詰めかけて興味津々で聴いていることに、あの国の懐の深さをみたような気がした。
ハナーニ先生のレッスンはあたたかく(それまでレッスンでそんなにあたたかく迎え入れられたことはなかったので、すっかり戸惑ってしまった)、その場にいる誰もが幸せになる雰囲気と、知的な分析、独特な歌いまわしや濃い音色がとても魅力的だった。
翌年参加した、プラドのカザルスフェスティバルでもお世話になった。あの頃シンシナティの大学で教えていらしたはずだが、今もお元気だろうか。

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