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2009年4月24日 (金)

「アナバシス」

シンガポールに着いてから、クセノポン著「アナバシス」を読み終わった。文句なしにおもしろかった。

記憶違いでなければこの本は、プラドのカザルスフェスティバルで講習を受けた後、コンクールを受けるためにジュネーブに滞在していたとき読む本がなくなって、日本にいる父に助けを求めて何冊か送ってもらったうちの一冊だと思う。94年に印刷された岩波文庫はすでに紙が変色しかかっている。
1ヶ月半のヨーロッパ滞在中、やはり日本語の活字は貴重だった。ぼろぼろになった週刊文春が日本人旅行者の間で読み継がれていたりした。

その時結局アナバシスは読まなかった。歯がたたなかったのだと思う。
今回もギリシア人の名前には苦労したけれど(クレアノル、クレアルコス、クレアンドロスなど本当に混乱する)、現代よりはるかに濃い人間同士の交渉(紀元前400年頃の話)が実に魅力的だった。戦いの描写も簡潔であるからかえって力強い。

あの頃はまったくこのおもしろさがわからなかった。本を人に勧めることの難しさはこういうところにもあると思う。

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