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2009年7月 5日 (日)

さらうことⅡ

毎週金曜日に「スーパーピアノレッスン 巨匠ピレシュのワークショップ」という番組が放映されていて、欠かさず見ている訳ではないが、とてもおもしろい。

弦楽器のレッスンでは先生と生徒で楽器や弓が違うので、どうしても言い訳が入る余地がある。ピアノは同じ楽器を使うのに残酷なほど差が出て(弦楽器でも結局はそうなのだろうけれど)、見る側にはその分はっきりわかる。
若い子のレッスンの時ピレシュが、「ピアニストはマシンガンのような練習をしたがる」ということを言った。僕が理解した意味はこうだ。均一に弾けるように徹底的に、機械的に練習すること。例えばあるパッセージをリズム練習するとかメトロノームで一目盛りずつ上げていくとか。
彼女が言いたかったのは音楽から離れて技術のみを追求する練習には気をつけた方がいい、ということだと思う。そういう練習をしていると、状況が変わった時に対応できなくなる、とも言っていた。

この言葉を聞いて僕はとても楽になった。
技術を追求することは確かにおもしろいし、職業音楽家としてある程度鍛錬されたものは持っているべきだろう。しかし音楽の表現が第一にあるという当たり前のことがおろそかになっていた。
技術的な都合で歪んだ演奏は、技術を改善することで多少よくなるだろうが、それは本質的になにも解決されていない。ただ音楽に従えばいいのに。そのための技術だ。どうして今まで気づかなかったのだろう。ちょっと恥ずかしい。(続く)

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