席から見える景色
戦争レクイエムではとにかく舞台上が込み合っているのであまり見通しはよくないのだけれど、僕の座っている席からは「室内オーケストラ」のホルンのバボラク、打楽器のゼーガースの二人がよく見える。
ホルンは難しい楽器のはずなのに、バボラクにはまったくあてはまらないらしい。時として大きな森のような音楽だったり、またある時は最上級の青磁の器のようにひんやりと美しい光沢のある音だ。
打楽器はいつもオーケストラの後方にいるので、演奏しているゼーガースを見るのは初めて。仕事をしている時の横顔は本当に格好良く、ほれぼれと見てしまう。
何気なくたたいているようなのに、完璧なタイミングは言うまでもなく、抜群の音程感や引き締まった音色が出てくるのは魔法のようだ。
二人の体の使い方には共通点があると思う。無駄な動きがなく、自分の出している音をものすごく冷静に聴いているように見える。
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