もしかしてほんのわずかのきっかけで
18日の演奏会には九響も含めると実は少なくとも5つのオーケストラのメンバーが参加していた。本番前日の夜焼き鳥屋で飲み食いしていたら、それぞれのオーケストラの話になってものすごくおもしろかった。一番盛り上がったのは演奏の最中に止まってしまった、セクション全体が落ちた、それからどうしたか、そういう話だ。
トリプルを弾き終わってから、なんとはなしに楽屋に高橋さん礒さんと3人集まった。ほとんどの音楽家がもし自分の手や指や体がこうだったら、という願望を持っていると思う。もっと指が太かったらとか、もし10歳の頃気付いてそれなりに過ごしたらそういう体になっただろうか、とかそんな話になった。
僕がプールに通うのは小さな体を少しでも補うためだけれど、脂肪が落ちて筋肉がついてしまうことは必ずしも良いことではないのかもしれない。筋肉は緊張した時にかたくなる。本番でいつもどおりいかなくなる原因の一つはここにあると思う。程度はあるにせよ、もし十分な脂肪がついていたらいつもかわらない重さがのるのだろうに、と思う。
落ち着いて振り返ってみて、端的に足りないものがよくわかる。いつも反省ばかりしていてしょうがないのだが、人畜無害ではない演奏がしたい。ものすごく遠いことなのかもしれないし、もしかしてほんのわずかばかりのきっかけで突破できることなのかもしれない。
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