ミュレール先生のバッハ
体中トリプルコンチェルトであふれそうになっている時に、あるチェリストがフィリップ・ミュレール先生の弾くバッハの組曲のCDのことを教えてくれて聴いたら素晴らしくて、目が覚めた。
20代はほとんど毎年のように京都フランス音楽アカデミーでミュレール先生に習った。CDを聴いて、水を得た魚のように弓が弦の上で動くボウイングや、しっかり並ぶ左手の指をありありと思い出した。
レッスンの時、音楽とは音と音の間にある、と言っていたことを今でもよく思い出す。先生が子供の頃、パリのコンセルバトワールの偉い先生が言ったことなのだそうだ。音と音の関係から音楽が生まれるのに、僕は技術的な都合でよく音が切れる。録音を聴くと音のつながりやフレージングの素晴らしさに圧倒される。今の若い人たちの冴えた演奏も素晴らしいけれど、ミュレール先生もやはり素晴らしかった。
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