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2009年10月29日 (木)

AB券

飛行機にチェロを載せるのはなかなか面倒だ。

荷物として下に預けると残念ながらしばしば楽器が割れる。機内持ち込みをしたければもう一席買わなくてはならない。人間の隣に乗せるのでAB券という。国内線の場合は正規運賃の半額。人間が安いチケットをとれた場合、チェロ席の方が高くなることだってある。
国際線の場合は基本的に人間と同額。奨学金をもらってアメリカのアスペン音楽祭に行った時、チェロ席は正規運賃の75パーセントを請求された。人間は奨学金で飛べたのだけれど、チェロは範囲外とのことで確か22万円くらい払ったと思う。実際に搭乗したら、客室乗務員が気をきかせて空いているファーストクラスのクローゼットにチェロを入れてくれた。チェロの方が人間より格上だ。でもそれならもともと買わなくても・・・。

1人分払っていてももちろん食事は出てこない。誰かがチェロの食事を要求したら出てきたことはあったそうだ。
ブルネロは、満席の時はもちろん買わなくてはいけないとしても、すいている時は無料で載せてくれてもいいのではないか、そういうことをロストロポーヴィチのように有名な人が航空会社に提言してくれたら、と言っていた。
ベルリンフィルの団員はルフトハンザに乗るとき、所属を名乗ると無料で楽器をのせてもらえる、と聞いたことがある。本当かな。

費用も問題だが、搭乗手続きにも時としてかなり時間がかかる。座席に人間以外のものを乗せるのは特殊なことらしい。最近はかなり早くなったけれど、少し前はカウンターで2枚のチケットを提示すると担当者があちこち右往左往してずいぶん待たされた。今でも空港には早く行く。
チェロを飛行機に載せるためにこれまでかなりのお金と時間を費やしてきた。

席をとらなくてはならないのはチェロだけで、ヴァイオリンやヴィオラは問題なく機内持ち込みできていた。ただ、この1年くらいのうちに小さい楽器も席をとるよう要求されるようになってきた、とは聞いていた。とうとう12月から楽器を載せるには一律に席を買わなくてはならなくなったらしい。全日空のHPに明記されている。
http://www.ana.co.jp/dom/checkin/promotion/baggage/

都響が移動する場合、ヴァイオリンとヴィオラが36から42人くらいの編成だからかなりのコストアップになる。予算が潤沢な仕事は問題ないとしても、例えば個人で室内オーケストラや弦楽四重奏を招聘しようとしたり、室内楽の自主公演をしようとしたりすることはかなり厳しくなると思う。
地方での演奏会が減らないよう願うばかりだ。

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