« 島で弾くこと、御蔵島 | トップページ | サルガドの「アフリカ」 »

2009年11月21日 (土)

ブルックナーの5番

明日からブルックナーの5番のリハーサルが始まる。聴いたCDはチェリビダッケ、ミュンヘンフィルのライヴ録音で1986年サントリーホールでの来日公演のもの。
演奏も録音も素晴らしくて驚いた。もともとFM東京(当時)が放送用に録音していたもので、いずれ破棄されるはずだったそうだ。FM東京には1972年のフルニエの来日公演でも素晴らしい録音があって、そちらもCD化されているが、いいディレクターやエンジニアがいたということだろうか。

80年代から90年代にかけて何度かチャンスがあったのに、チェリビダッケとミュンヘンフィルの演奏を実際に聴かなかったことを、今となってはとても残念に思う。
この十数年音楽をとりまく環境にも大きな変化が起こったと思う。音楽は便利で簡単で表面的で、時として物語まで必要とするようなものになってしまった。

CDのライナーノーツには息子セルジュ・イオアン・チェレビダーキの文章も載っている。
『これらの録音はコンサート・ホールでのすべての体験を再現できるものでないのは明らかですが、そもそも、人生の局面のすべてを完全に把握するなどということは難しいことです。そのような意味では、このすばらしい瞬間を発見したり、思い起こしたいという皆様には、ほんの一部分ではありますが、聴いていただくほうがよいと思うのです。単にそれがよいというだけではなく、父の演奏会によく足を運んでくださった方や、今となっては何にも替えがたい体験を失ってしまった方にとって、演奏会の瞬間というものは非常に大切なものであり、人生の足跡そのものとなりつつあります。私自身もそのひとりなのです。』

« 島で弾くこと、御蔵島 | トップページ | サルガドの「アフリカ」 »

音楽」カテゴリの記事

  • (2017.08.21)
  • (2017.08.25)
  • (2017.07.11)
  • (2017.06.17)
  • (2017.04.24)