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2010年3月14日 (日)

ショルティとシカゴ交響楽団

昨日3月12日からインバルの指揮する「運命」のリハーサルが始まり、いちいちその書き方がラズモフスキーの1番に似ていると感心しながら弾いている。いろいろ気付いて実はあまり開いたことのない「運命」のスコアを見たらとても新鮮だった。

ラズモフスキー第1番との関連を感じるのは「運命」交響曲だけれど、作品番号が隣り合っているのは第4番の交響曲だ(作品60)。
そう思ってゲオルグ・ショルティの指揮するシカゴ交響楽団のCDを引っ張り出してきて聴いた。このCDは、世の中にCDというものが出現して我が家にもようやくCDプレーヤーというものが入った時、多分最初に買ったものの中の一枚ではないか、と思う。発売は1988年、カップリングは「運命」で、もちろんこちらが目当てだった。

第4番の交響曲は本当に演奏される機会が少ないと思う。もしかしてベートーヴェンの交響曲の中ではもっとも演奏されないかもしれない。僕はフリーの時に一回弾いたきりで、オーケストラに入ってからは一度もない。ちなみに頻繁に演奏されるのは言うまでもなく「運命」、7番、第九。
4番は難しいし、しかも演奏効果はあがりにくい。下手をすると最大の労力で最小の効果になりかねないからあまり取り上げられないのだと思う。終楽章のテクニカルな部分はファゴットやチェロのオーディションの課題になることがあるかもしれないけれど。

ショルティの指揮するシカゴ交響楽団の演奏は4番、5番とも文句なしに素晴らしいものだった。CDを買った時はオーケストラの経験がほとんどなかったし、もしかして再生装置も今ほどは良くなかったかもしれず、ふーんと思っただけだった。あの時この演奏の良さはわからなかった。年はとるものだ。
かつてのジョージ・セルが指揮するクリーブランド管弦楽団が鍛え抜かれたアスリートのような演奏だとすると、こちらは重厚長大でゴージャスなベートーヴェンだ。どのセクションも抜群に上手でパワフル。ファーストヴァイオリンは言うにおよばず、内声も活力にあふれているし、チェロ、バスにいたっては弾きすぎて弦が指板にばしばし当たる音がよく聞こえる。素晴らしい弦、金管、打楽器に劣らず聞こえてくる木管楽器群はそうとう強い音楽を持っていると思う。

シカゴの金管楽器はすごい、ということはしばしば耳にする。ヴィオラの首席奏者の楽器ケースには、金管楽器の咆哮で耳をやられてしまわないように耳栓が入っていた、とか、マーラーを前の方の客席で聴こうものなら炸裂する金管の音で何が起こっているのかわからないうちに演奏会が終わる、とか。

エネルギーがみなぎっていてはちきれそうなベートーヴェンの演奏がしたい。

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