実際にすること
何かをした人たちの言葉は重く、そうした言葉を読んだり聞いたりすることは大好きだ。
最近読んだのは「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る」<中村哲、(聞き手)澤地久枝>。中村医師は命がけで医療や水路建設に取り組んでいる方だ。僕たちの日本での生活は、大変だ!忙しい!と騒いでいるだけで、実際はぬくぬくとしたまゆにくるまれている。
都心の改装されたばかりの大型書店でこの本を探していた時にたまたま見つけたのは、雑誌「ユリイカ」2010年4月号。その特集は「現代ピアニスト列伝」だった。これだから本屋は楽しい。
ピアニスト舘野泉さん、横山幸雄さん、野平一郎さんの文章などを興味深く読んだ。野平さんの文章は最近岩波書店の雑誌「図書」にも掲載されて、そちらもとてもおもしろかった。ブーレーズに関するものだったと思う。ちょうどブーレーズをJTチェロアンサンブルで弾いたばかりだった。
青柳いずみこさん・小池昌代さんの対談も、時に辛辣でおもしろい。
はたで見ているのと何かを実際にするのと、まったく違うことは多い。
演奏もそう、自分が舞台に立つ時はあんなに大変なのに、いったん聴衆として客席に座ると、どんな難しい曲が演奏されていても非常にしばしば眠くなる。その落差はいつも不思議だ。
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