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2010年4月20日 (火)

辺境論の

昨年出版された「日本辺境論」の著者、内田樹さんのインタビューが4月17日の日経新聞夕刊に掲載された。うーん、なるほど・・・。最近人の言葉ばかり引用しているけれど、とても興味深いので。

『・・・「宗主国」のようなリーダーが不可欠なのですが、集団のパフォーマンスを上げるためには、いろいろなタイプの人材を有機的に組み合わせないといけない。頭が切れてロジカル(論理的)な人ばかりを集めると組織は破綻します』
『読売巨人軍が一時、4番打者ばかりそろえて勝てませんでした。小技のうまい選手、つなぎのできる選手も加えて、適材適所の役割分担型のチームにして強くなった』
『総合力では劣っていても余人をもって代え難い得意技を持った人、身の程をわきまえて黙々と仕事に打ち込む人、人を立て周囲を奮い立たせる人。組織のメーンストリートではない周縁で「雪かき」のような地道な仕事をいとわない人たちがいる。そんなモチベーションが高い組織は強い』
『成果主義は個人の能力と達成を評価するものです。しかし実際にはそんなものを取り出して計測することは不可能なのです。仕事は集団で行うものです。個人的な能力は高い。だが、その人がいるせいで集団のパフォーマンスが下がるという人間は「仕事ができない」人間なのです』
『身の程を知る、分際をわきまえるという言い方は今や死に瀕している。これは集団の中において自分の果たすべき役割を認識することです』
『「身の程知らず」の人間は、自分を大きく見せようとするあまり、無意識に周りの人間の仕事を妨害し始めます。「能力のある人間」たちが相対的な競争では勝者になっても、集団そのものの力は次第に衰えてゆく。それが日本の現状なんです』

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