スワン家の方へ
ついうっかり「失われた時を求めて」の第1冊目を買ってしまったばかりに、他の本がまったく読めなくなって山積みのままだ。
まもなく文庫本で2冊目、全体では第1篇の「スワン家の方へ」を読み終わる。
ひとつひとつの文章が長いし段落も長いので、ペースをつかむまで骨が折れた。今はまさに読書にふけっている状態だ。こんなことは久しぶりだと思う。あとたっぷり11冊あるから、5月、6月にある旅の仕事に何を持っていくかの心配はなくなった。
ジャンルー・シーフが自身の写真集の中でこんなことを書いている。ヒントになるだろうか。
『奇妙なことに、多くの人にとって、プルーストの「失われた時」は「時間を失う」という意味で理解され、プルースト自身にとっての意味、つまり「もはやありえないであろう時間」という意味(すべての写真家にとってそう意味するはずである)では理解されていない。
個々のイマージュは、過ぎ去った時、そしてそのイマージュが少しだけ保存する時と不可分である。』