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2010年6月11日 (金)

HMV渋谷

蓄音機、LPレコード、オープンリールのテープ、カセットテープ、CDと様々にメディアが変化した中で、今のipodに代表されるオーディオプレーヤーの画期的なところの一つは(ハードディスクを搭載した機種もあるけれど)、回転部分を持たないことだと思う。
僕にも、これまでのオーディオが回転部分の問題に多くのエネルギーを費やしてきたことはわかる。一昔前のカセットテープデッキのカタログにはどれほどテープの走行が安定しているかが高らかに謳われていたし、いまでも新製品が出るハイエンドのレコードプレーヤーにとっていかにターンテーブルを静かに回せるか、ということはとても重要な要素のはずだ。

回転部分のノイズから解放されて、しかもモーターに電池を消費されることのなくなったエディロールやipodは昔のカセットテープのウォークマンからすると夢のような道具だ。音源をCDからではなくインターネット経由でダウンロードすることも一般的になっているようだ。
新聞にHMV渋谷店が8月に閉店という記事が載り、店側は理由を明らかにしていないが、音楽がダウンロードされるようになってCDの売り上げが落ちているためではないか、と書かれていた。

CDは仕事上必要だから着実に増えて、今ある棚がいっぱいになるのは時間の問題だ。
でももしすべてハードディスクに入れてデータとして管理してしまえばその問題は解決する。小さなハードディスクにCD数千枚のデータは入る。CDプレーヤーで聴くよりも、いったんハードディスクやメモリーに取り込んでから再生した方が音がいいとも言われる。さらに今のCDを縛っている規格を越えてずっと音のよいものを作ることだって可能だと思う。

必要に迫られてCDショップに行くことはあまり好きではないが、それでも先日のホロヴィッツのように思いもかけない録音に出会うことはある。目当てではなかったものや興味のなかったものに触れて手にとる機会、という意味で本屋と共通する発見や喜びがある。時代は変わるものだけれど、全てデータになってネット上でやりとりされるようになったら随分さみしいだろう。
HMV渋谷には学生時代、同級生でチェロの林君と一緒によく行き、時間をかけておもしろそうなCDを見つけることが楽しみだった。

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