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2010年6月 6日 (日)

ホロヴィッツのチャイコフスキー

またすごい録音を見つけた。
タワーレコードに行ったら「ホロヴィッツ未発表正規録音/極上プライベート盤より復活!」という刺激的な見出しとともにCDが平積みされていて、少し試聴してすぐ買うことに決めた。ジョージ・セル指揮のニューヨーク・フィルと演奏したチャイコフスキーの協奏曲、1953年カーネギーホールでのライヴ録音だ。

僕が初めてチャイコフスキーのピアノ協奏曲を弾いたのは桐朋の学生オーケストラで、ソリストはグレゴリー・ソコロフだった。そんなに弾いたらピアノが壊れると心配になるくらいの音で弾き初め、終楽章はさらにすごいテンポと音量になり、オーケストラを完全に支配してしまった。
あの時学生でしかも初めてだったから余計そう感じたのかもしれないけれど、彼の印象は強烈だった。

オーケストラの仕事をしているとチャイコフスキーのピアノ協奏曲はしばしば演奏する。でも実はよく欲求不満になっていた。力で押し切るだけの演奏は好きではないが、この曲に関してはソリストにオーケストラを圧倒して欲しい。音量もそうだし、何より音楽の強さを聴きたい。

このホロヴィッツの演奏はすごい。火の玉のように弾いてオーケストラとぶつかり火花を散らす。第2楽章の途中からますます熱く、それはいくらなんでも無理!と言いたくなるテンポに到達してしまう。
終楽章は、そう弾いて欲しいとずっと願っていた3拍子の感じだ。ほとんどの人が平板に演奏するので、僕はおかしいのかとあきらめかけていた。でもこうだ、これだ。
熱くなりすぎて最後は大変なことになる。安全運転からはほど遠いが、演奏会として十分成立している。演奏はこうやってするんだ。

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