迷わない
ご多分にもれず、にわかサッカーファンとなってワールドカップの中継をよく見ている。なりふりかまわないぶつかり合いはすごいし、僕もできることならタフでありたいと思う。
ボールが自分のところに来た時に迷わず的確にプレーできる選手は素晴らしいと思う。
将棋の羽生さんが確か著書の中で、経験を積むにつれ様々な局面でさらにいろいろな可能性を考えられるようにはなるが、それは必ずしもその勝負に勝つことにはつながらない、むしろあまり考えなかった時の方が勝てていた、という意味のことを書いていたと思う。
オーケストラに入って何年かたつと、以前よりはるかに周りのことを聴けるようになる。全体の中でどうふるまうか、という時に状況を気にし過ぎて迷うと結局あまりいい働きにならないことがある。
好きに動けることはあまりない仕事なのだけれど、今心がけているのは、迷わないこと、音を出すタイミングをできるだけ構えたまま待たないようにすること。つまり音を出すときのモーションが一人で弾いている時より多くなって、心と体の間に隙間ができてしまわないように、と思っている。
今日、東京都庭園美術館で有元利夫展を見た。先日見た奈良美智とはまったく違う絵だが、人間に耳が描かれていないことは一緒だった。どうしてだろう。
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