人間の悪と業
今日の日経新聞夕刊に作家、車谷長吉さんの言葉が載った。部分を引用させていただきます;
『料理場の下働きになったのは、貧乏が好きだったことと下働きの生活が何の欲も悩みもなくて楽だったから。当時の月給は2万円で、大学の同級生はその10倍の給料をもらっていたが、うらやましいとは思わなかった。下働きの生活と比べれば、小説を書く方が苦しいし、地獄だ。自分の生き血を搾り取るようなつらさがある。小説は、人間の悪や業を描くことだと思う。善人は、真・善・美は描けても、偽・悪・醜を書けない。ドストエフスキーの小説をみると、大半が偽・悪・醜を描いている。』
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