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2010年10月25日 (月)

響きと輪郭と

何年も前、サントリーホールにイッサーリスが弾くエルガーの協奏曲を聴きに行ったことがある(BBCウェールズ響の来日公演)。その時彼のチェロの音があまりきこえなくてびっくりした。
どんな風にきこえなかったかというと、きっと彼の近くではものすごくいい音がしているのに、客席には届かない、そんな感じだった。4本ともガット弦を使って、響きはあっても輪郭の成分があまりないからオーケストラの音に埋もれてしまう。ただ、アンコールで弾いたツィンツァーゼのチョングリ(1分半くらいの、ピチカートだけで弾くいかした曲)は抜群の音だった。ガットは伸びがあるからピチカートはご機嫌だ。

今日の都響定期のソリストはボリス・アンドリアノフで同じくエルガーの協奏曲。
音楽的にも技術的にも素晴らしかったし音もよく通っていたと思うけれど、とにかく輪郭を立てる弾き方だった。多分足の長いベルギー駒を使ったあの音色だ。オーケストラをバックにチェロの音を通すためにはそのくらい音を立てないといけないのかもしれない。でも輪郭と引き換えに響きは少なくて、中低音のチェロらしい豊かさは物足りなく感じた。僕はもう少し響きがある方が好きだ。

プログラムの後半はブルックナーの4番。
第1楽章にヴィオラの見せ場がある。ファーストもセカンドもヴァイオリンはひたすらトレモロ、ブラスは長い音符のコラールを吹いていて、その間をヴィオラが四分音符や八分音符で動く。チェロとコントラバスは休み。オーケストラを弾いていて、低弦が休んでいて格好いいと思うところはあまりない。でもここはその数少ない一つだ。
終楽章のコーダ(終止部)に入る瞬間も好きなところだ。オーケストラが息をひそめて、最後の変ホ長調の和音(英雄の調性)を目指していく。
前はブルックナーの4番を弾くことは平気だったのに、昨日のリハーサルで通して今日ももちろん通して、どうも右腕に疲れがある。錆びついてしまったなぁ。

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