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2010年10月 1日 (金)

ハーゲンカルテットとツィメルマン

いい演奏会を聴いた。
トッパンホールでのハーゲンカルテットとクリスティアン・ツィメルマンの演奏会、前半はカルテットだけでルトスワフスキとシューマンの3番、後半はツィメルマンが加わってシューマンのピアノ五重奏。

ハーゲンカルテットはヴァイオリンが二人座ってヴィオラはほぼ中央、チェロが外側、という並び方だ。メロスカルテットもそうだった。演奏はずっと現代的だけれど、必要な声部がよく聞こえてくるというスタイルは一緒だと思う。
外声は言うまでもなく、セカンドヴァイオリンやヴィオラの能力も抜きんでていることがこのカルテットの素晴らしさなのだと思う。内声の二人がこんなに光っているとは思わなかった。
驚いたのは4人の使う弓の少なさ。ペレーニもそうだったし、チェロが少なく使うのはわかる。でもヴァイオリンで弓をきっちり弦に密着させて弾くのはあまりないと思う。弓の使い方、ヴィブラートの使い分け、弦楽器を熟知して操っていると思った。

前半の2曲は魔法のようで、いったいどうやってお互いコンタクトを取り音を出しているのか不思議だった。
後半のシューマンは圧巻。深い呼吸の取り方やフレージング、テンポのもって行き方など、あぁこうやって弾くんだなぁ、と感じるところがたくさんあった。特に第1楽章の再現部に入るときの盛り上げ方、第2楽章の最後の和音の音色とバランス、第3楽章の中間部の揺らぎなど、やってくれるねぇと思わずにはいられなかった。
ツィメルマンのピアノも美しかった。終楽章の最後の部分はシューマンの協奏曲を彷彿とさせるような響きだった。
演奏は熱かったのに舞台での所作はクールで、それも好感がもてた。

僕が学生の頃、カザルスホールの主催するソロや室内楽の演奏会によく足を運んだ。カザルスホールが発信する企画にわくわくしたものだった。
今トッパンホールがいろいろなことを発信しているのだと思う。弦楽器のソロや室内楽は世間的に見ればかなり渋い分野で、こういう企画を続けることは易しくないのではないか。今日素晴らしい演奏を聴けたことを感謝したい。

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