カルテットのように緻密な
同窓会で久しぶりに会って、その風貌の変わりように誰だかわからない人はいた。でも声を聞いたり笑い方を見たりするとすぐ思い出した。
以前夕刊のあるコラムに、70歳を過ぎてからの同窓会は肩書きがなくていい、働き盛りの時は名刺交換がつきものだったから、という内容のものがあった。
僕たちの先日の同窓会は、それぞれの境遇をあまりつまびらかにすることなく、楽しく大騒ぎをした。でも同窓会の案内が来て複雑な思いをした人はいたかもしれない。
昨日今日の都響はベートーヴェンの1、8番と1番のピアノ協奏曲というプログラムの演奏会。かなりシビアな内容だった。
今年の春、やはりインバルの指揮でエグモント、皇帝、運命を弾いたときの方が楽だったと思う。1番の交響曲がとにかく難しかった。大きめの編成に時差はつきものだけれど、それでもカルテットのように緻密な音楽をしたかった。
昔初めて1番を弾いた時、何も感じられなかった。今日はいろいろな面が見えて楽しかった。年をとることも悪くない。16型で弾くベートーヴェンの8番は、音楽人生で何度もないことだろうが、それもおもしろかった。
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