今の10人で初めての
19日みなとみらいでの都響チェロアンサンブル公演、多くの方にお越しいただき本当にありがとうございました。
若い2人が加わって、今の10人で初めてのチェロアンサンブルはこれまでとちょっと違う感じで楽しかった。
夜はジャン・ギャン・ケラスのリサイタルを聴きにトッパンホールへ。みなとみらいでぐぎぐぎ弾いた後、楽器と衣装を持って飯田橋に移動するのは少々骨が折れたけれど、くじけず行ってよかった。
いい演奏会は短く感じる。
低めにチェロをかまえるケラスは多彩な音色と音楽の持ち主だった。この人の素晴らしいのは並外れた技術を持っているのに、音楽が前面にあることだ。感じている音楽が技術的な制約を受けずに出てくるようだった。
時代の先端を行くような演奏だったけれど、時々基本に忠実な左手の使い方をケラスがしていておもしろかった。音程が跳躍するとき、1から3へという指使いをする場合によく、まず人差し指でシフトしておいてそれから薬指で到達する音を押さえる、だから到達する一瞬前に3度下の音が聴こえることがあった。
ピアノのアレクサンドル・タローも素晴らしかった。一つ一つの音はもちろん、和音を鳴らす時のバランスの取り方や、全体の音量を上げずに必要な声部が浮き立つことなど。
2人の息の合った音を聴くのか、ケラスの音を聴くのか、タローの音を聴くのか、いろいろな楽しみがあった。繰り返しのある部分は聴き方を変えて聴いた。
素晴らしい演奏を聴いてまたチェロがさらいたくなった。
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