« 金曜と土曜の夜 | トップページ | 版によって »

2011年2月22日 (火)

胸を締め付けられるような

宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の朗読に僕のチェロで音をつける、という企画があり(5月下旬の名古屋)、久しぶりに原作を読んだ。子供の頃初めて読んだ時は何がいいのかまったくわからなかったのだけれど、今は素晴らしいと思う。
音を付けるにあたって「印度の虎狩り」は避けて通れない。持っている新潮文庫版の注によると「Hunting Tigers out in 'Indiah'」という「コミカルで軽快なダンス曲」だそうだ。僕が考えているのは、たとえばショスタコーヴィチの1番の協奏曲のどこかの部分を使えないか、ということだ。何しろゴーシュの弾く「印度の虎狩り」を聞いた猫が『さあこれはもう一生一代の失敗をしたという風にあわてだして眼や額からぱちぱち火花を出しました』とあるもの。

その新潮文庫「新編 銀河鉄道の夜」にはもちろん「銀河鉄道の夜」も収められていて、実はきちんと読んだことはなく、初めて読んだ。こんな胸を締め付けられるような物語だったとは・・・。
賢治の文章はどの部分も、情景や空気のにおいまで手に取るように浮かぶ。

今晩はサロメの初日だった。
新日フィルにいたとき、初めて弾いたサロメは何が起こっているのかまるでわからなかった。去年の松本のサロメはとにかくテンポが早くてオーケストラが(きっと歌手も)鳴らない感じだった。今回はどうだったのだろう。
このオペラは、膝が震えるようなドスの効いた音、めくるめく官能、有無を言わせずたたみこんでいく音楽の力があるはずだと思うのだけれど。
演出はコンヴィチュニー。あれが最先端というものだろうか。カーテンコールで彼が出てきた時は大きなブーイングが起こった。オーケストラピットからステージはよく見えないが、確かにヨカナーンが最後まで舞台にいるのは不思議だ。でもコンヴィチュニーは笑顔で応えているように見えた。あそこまではっきり観客が反応したら本望なのかもしれない。

« 金曜と土曜の夜 | トップページ | 版によって »

音楽」カテゴリの記事