断片的な提示
ブルックナーの交響曲は2番から9番まで弾いたことがある。今日何年ぶりかで2番を弾いて、例えば7、8、9番に比べれば試行錯誤の途中と感じる箇所はあるけれど、音楽はとても純粋と思った。
終楽章のコーダの前に第1楽章の主題が断片的に提示される。
この書き方からベートーヴェンの後期の弦楽四重奏を連想し、作曲の子にそのことを聞いてみた。僕はその断片の提示にだけ気を取られていたのに、彼女はもっと広くとらえて、和声の構造から考えてコーダの前に提示が置かれていることに意味があるのでは、と分析してくれた。うーん、なるほど。
その話はゲネプロの後だったので、では本番で気にしていよう、と思っていたら。気づいたときには弾き終わっていた。
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