暗譜の能力
今週は東響にお邪魔している。
指揮はポーランドの若いクシシュトフ・ウルバンスキ。暗譜の能力に驚いた。
本番を暗譜で振る指揮者は少なくない。でもこの人は最初のリハーサルからまったくスコアを見ない。1時間近くかかるショスタコーヴィチの10番の、それぞれの楽器の音はもちろん、フレーズの変わり目ごとにある練習番号まで(およそ10小節とか15小節おきに1番から206番まである)、完全に覚えている。
例えば、38番の5小節前からチェロとホルンだけで、と言って練習した後、46番の2小節前の弦楽器の3拍目にあるラのフラットの音が弱くならないように、と言ったりとか。
とにかく何も見ないですらすら言う。いちいちスコアをめくって場所を探さないから、練習の流れはとてもいい。
この人の頭の中はどうなっているのだ?
« 澄んだ声は | トップページ | 暗譜の能力(続き) »
「音楽」カテゴリの記事
- ショスタコーヴィチの8番(2024.12.30)
- シェーンベルク、長三和音、短三和音(2024.12.15)
- 音楽のたたずまい(2024.11.11)
- 人懐こい猫がいたら(2024.09.20)
- 5月18日のプログラムノート(2024.05.17)