失ったものの方が
モーツァルトのクラリネット五重奏の録音はもちろんたくさんある。
実家にウィーン・コンツェルトハウス四重奏団の「死と乙女」があって、それが素晴らしいので、クラリネット五重奏もこの団体にした。1951年の録音、クラリネットはレオポルド・ウラッハ。
今の世の中は技術が大変に進み、おかげで自分もなんだか進んでいるような気がするけれど、こうして古くて素晴らしい演奏を聴くと、進むどころか失っているものの大きいことに気がつく。
もちろん今の演奏の方が洗練されているとは思う。
29日のトッパンホールの演奏会のリハーサルもしていて、雲をつかむようだったのがだいぶ形が見えてきた。ピアノは村田千佳さん、フルート濱崎麻里子さん。練習の休憩中、雑談に花が咲かないように気をつけていたのだけれど、今日はとうとう咲いてしまい、ずいぶん長いこと練習が中断・・・。
節電の影響でコンサートホールの空調も弱くなっているように思う。
いつもスーツを着て演奏する都響の小中学生向け音楽教室、この夏は上着を脱ぐことをお許しいただいた。ありがたい。僕ですら暑いと感じるのだから。
もともと空調の効きにくい古いホールや、孵卵器のように舞台の照明が強力なホールでは、この夏いったいどうなってしまうのだろう。
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