素直にもう一度
今日はサントリーホールでアラン・ギルバートと都響の最初の演奏会。
ベルクのヴァイオリン協奏曲の最後、ソロのヴァイオリンは高いソをずっと伸ばしている。その時のフランク-ペーター・ツィンマーマンの姿勢は実に自然体だった。すっと音楽に入ることも、大きな舞台に1人で立っていることも、オーケストラの伴奏で弾くことも自然体だった。弾きながら時々いたずらっぽい目でオーケストラとコンタクトを取ったりする、そんな彼の音を聴きながらパウル・クレーの描いた「忘れっぽい天使」の絵を思い出した。
アンコールのバッハには、体中の力が抜けてしまった。こういう経験はしたことがない。素晴らしいソリストはオーケストラを変える力を持っている。
ブラームスの1番はあっという間に終わった。これまでの都響の演奏会、オーケストラにはもっと能力があるのに、と感じる時があり、そういう時はもやもやとしたものを抱えた。でも今日は幸せだった。
明日も同じプログラムで演奏会がある。同じプログラムが2日続く時、初日がうまくいってしまうと2日目は大儀な感じがするし、うまくいかなかったときはもちろんやり直したいと思う。
でも明日は素直にもう一度弾きたいと思う。演奏会が2回あって本当に良かった。
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