石巻へ
石巻市立女子商業高校は海の近くに校舎があり、津波の大きな被害を受け、今は3カ所に分かれて授業を行っているそうだ。
地震から4ヶ月たった今日、石巻市立女子高校に間借りしている2年生1クラスの前で演奏した。そう見えるだけなのかもしれないけれど、明るく元気な高校生と感じた。
演奏の後、市内を案内していただく。海の際の、魚市場のあたりは壊滅的な状態だった。日和大橋をわたってすぐの石巻文化センターももちろん使えず、補修するのか建て直すのか何も決まっていない、とのことだった。文化センターの近くには使えなくなった車が集められ、川を挟んだ対岸にはがれきがうず高く積まれていた。その旧北上川は今にもあふれそうな水位だった。地盤沈下の影響だろうか。
土地のほとんど全てのものがなくなっているか使えなくなっているのを見ると、いったいどうすればいいのかと思う。途方もない広さを一つ一つ片づけて行くのだろうか。案内してくださった方が、自分の生きているうちには復興できないかもしれない、と言った。
高校で弾いた時間帯は、聞いていた通り暑かったのだけれど、日が暮れると急に風が涼しくなった。臭いはしているし、蝿も多い。
4ヶ月たってやっと僕たち音楽家にも何かできるようになったのかな、という思いと、実際には物一つ動かしていない、という無力感が交錯する。市内を見ながら、ほぼフィルム1本分の写真を撮った。でも写真を撮ってよかったのか、とホテルに戻って思った。
今日一日いろいろなことを見聞きし感じ、どう捉えたらよいのか収拾がつかない。
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