「メカスの難民日記」
ジョナス・メカス著「メカスの難民日記」を読み終わった。
新聞の書評にあったように、特に後半は読み終えるのが惜しかった。日記は、断片的で、日付も飛び飛びでまとまりがなく、時としてざらりとした感触を残す。でも読んでいるこちらは救われる、なぜだろう。
1949年の日記から、
「アメリカへ来い!一つの偉大な夢、資本主義の悲惨を体験できるだろうから。体験してみるだけの価値はある。ヨーロッパにいたときは、どういうわけか僕はいつも、自分は例外的な人間で、他の人たちとはちがうと思っていた。僕は難民で、リトアニア人で、詩人だった。ここに来て、ふと気がつくと、僕は、列に並んで立っていたり、煙だらけのウォーレン・ストリート職業紹介所の部屋ですわっていたり、四十二丁目の人ごみで道に迷ったりしている、失業中のただの一労働者だ。他のだれともなにも変わらない。群衆のなかの一人。毎晩、仕事にありつけずに家に戻り、隅に上着を投げだし、ベッドに倒れこみ、今日の新聞のフロリダでの休暇の記事にさっと目を通す、何百万人の一人なのだ・・・・・・」
読みたい本はたくさんあり、でも家の小さな本棚はすでにいっぱいで困っている。