疾走する
よく響くオペラシティでモーツァルトばかり弾いた後、夕方は録音の仕事へ。
オーケストラの中では全体の響きに入るように弾くから、音を出すタイミングはけっこう遅い。残響の長いホールでは特にそうだ。それがロックやポップスの世界では180度違う。
朝からテレビを見るのは好きでなく、出かける前はFMを流していることが多い。NHKというよりは、J-WAVE、でもそのJ-WAVEも商売っ気が見えすぎる時があって、今はInterFMが多い。すると自然にロックとかポップスが耳に入る。
クラシックと少しのジャズばかり聞いていた頃は、録音の仕事でロックやポップスがあると、借りてきた猫のようにどうにも居場所がなかったのだけれど、今はこれも楽しい。
それにしても、オーケストラで弾いた後にそちらの世界に行くと、つくづく自分は強拍の人間なのだと思い知らされる。(4拍子ならなにより1拍目が偉く次が3拍目、2と4は弱く弱く・・・)
裏拍や8分音符、16分音符でひっかけてあるリズムなどが基本となっているロック・ポップスで、ストリングスを録ったプレイバックを聴くとドラムやベースギターのノリに比べて重く、がっかりすることがある。
でもクラシックでも、例えばクライバーがウィーン・フィルを振った「運命」を聴くと、その疾走する感覚に圧倒される。クライバーの指揮は手綱を締めることをせず、オーケストラに風が吹いたように自由な音楽が生まれる。
僕の弾くコダーイにもその疾走する感じを少しでも実現させたい。
帰宅してから台風12号のニュースを見て目を疑った。どうして今の日本はこれほど頻繁に災害にみまわれなくてはならないのだろう・・・。
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