今年最後の
東京文化会館は一番好きな演奏会場だ。でも先日インバルの指揮した都響の演奏会を客席で聴いて、また一昨日、昨日と第九を弾いて、このホールでいいオーケストラの音を出すことは決して易しくないと感じた。
僕にとってサントリーホールは難しい会場だけれど、今日はその響きが有難かった。今までオーケストラ全体の音がよく聴けていなかったのだろうか。
第九の難しいのは、演奏が手垢にまみれたルーティンワークに実になりやすいことだと思う。それは演奏者の発想の貧困であり、企画の貧困であるかもしれない。本来第九は決して容易に演奏することのできない曲だと思う。
今日の第九は、何度も弾いてきた第九が、初めて弾く曲に感じられる時があった。今年最後の都響の演奏会が今日の第九でよかった。
« 空気が澄み | トップページ | 本来の力を発揮できるように »
「音楽」カテゴリの記事
- " the best thing in the world "(2025.02.01)
- ショスタコーヴィチの8番(2024.12.30)
- シェーンベルク、長三和音、短三和音(2024.12.15)
- 音楽のたたずまい(2024.11.11)
- 人懐こい猫がいたら(2024.09.20)