歯ブラシで
12月に立てた新しい駒がどうも高く左手がきついので(12月8日の日記をご覧くださいhttp://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-d52d.html)、ほんの少し低くしてもらった。僕のへなちょこの左手が悲鳴をあげたのだ。最近遊び呆けていたのはその悲鳴を静めなくてはならなかったので(言い訳)。
今日重野さんのところに行ったのはもともと弓の毛替えをしてもらうためだった。
弓の毛のひっかかりが少なくなったら、歯ブラシで毛を梳き、毛をはらってこびりついた松脂を落とすといい、と教えて頂く。実際松脂を落とすと音が明るくなったように感じた。
ひっかかりを生み出すキューティクル(というのかな?けばだち)は、実はそうそうなくなるものではないそうだ。その凸凹の隙間が松脂で埋まってしまうと具合が悪いらしい。なるほど。
それにしても、つるつるになった毛がその度に歯ブラシでよみがえっていては儲からないのではありませんか、と尋ねると重野さんは、いいんです、と笑っていた。やはり素敵な方だ。
最近、C線を下げ弓で弾いた時に毛箱がチェロの表板に激突したり、手がすべって弓が表板をスキップしながら落ちて行ったり、と楽器の生傷が絶えなかった。職業音楽家としてあるまじき弓使いだ。
傷もきれいに治していただいて、さぁがんばろう。
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