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2012年1月10日 (火)

世界は違って見える

雑誌「ユリイカ」1月臨時増刊号は写真家石川直樹さんの特集。実におもしろかった。

森山大道さんとの対談から
 森山  『写真集や雑誌なんかで石川さんの写真を見ると、いいなぁと思います。せせこましい決めつけがないんだよね。石川さんは僕がさっき言ったような、意味やリアリティは自分の内側だけじゃなくて世界のなかにひそんでいるということをよくわかってるなと思う。』
 石川  『自分では、世界を切りとるというよりは、向こうから飛んでくるものをカメラでキャッチするという感覚なんです。』
 ・・・
 森山 『昔、多木浩二さんが言ってたことを要約すると、言葉と言葉の編み目の間に浮遊する得体の知れない領域を埋めていくのが映像だってことで、僕もそう思ってるんです。』
 石川 『写真も文章もなにか向こうから飛んでくるものを、それがなにかわかる前に瞬間的に反応してキャッチしなくちゃいけないと思っています。』

また登山家服部文祥さんとの対談では
 服部 『未知は作れないからね。作れないことを夢見てもしょうがないから、逆にいま持ってるもの、もしくは手に入れるもので楽しむ方法を考えたほうがいい。なんでも基本はそうだよね。写真も一緒でしょ。もはや誰も写してないものはないみたいな。』
 石川 『確かにそうなんだけど、写真家の仕事はそのもはやないという世界のなかで、誰も視線を注いでいない階層に滑りこんでいけば、その写真は見たこともない世界を写せるんですよ。前人未到の場所はないけど、誰も見たことのない世界を写真に撮ることはできる。今ある世界の別の見方を顕にさせることが写真には可能だから、・・・・』

石川直樹さんは1977年生まれ。なんと。素晴らしいなぁ。

同じ号にやはり写真家の鈴木理策さんの文章があった。その中の一節から、
『写真を志す若い人には、過去に見た映像をデータベース化し、いつかどこかで見たことがある様な写真的場面に遭遇するとシャッターを押して、撮った気持ちになっている人が多い。それは過去に作られたイメージとの絵合わせに過ぎない。』

今日は時間があったから少しだけ写真を撮りに行こう、と思っていたけれど、それはやめにした。もう一度本屋に行って森山大道さんの写真集「ブエノスアイレス」を求めた。
森山さんの写真にはどうしてこんなに惹きつけられるのだろう。むきだしの何かだろうか。

明日は仙台へ。

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