「やがてわたしがいる場所にも草が生い茂る」
明日から3月というのに東京には重たい雪が降った。
連続企画展 Remembrance 3.11の開かれている銀座ニコンサロンへ。石川直樹さんの写真展「やがてわたしがいる場所にも草が生い茂る」http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/02_ginza.htm#03
先日いわきを訪れた折に入った寿司店で、ご主人が地震の時のことをさまざま話してくださった。直後のいわきは「異様な雰囲気だった」という言葉が印象的だった。もう寿司屋はできなくなる、と思ったそうだ。
あの時都響は函館公演のゲネプロ前だった。長くゆらゆら揺れる揺れの後、当日の公演と、続く八戸、盛岡公演は中止になり、幸い無事に戻れた東京は別の国になってしまったようだった。街は薄暗く、皆口数少なく足早に歩き、スーパーの棚は空っぽだった。
あの地震でこの国は変わってしまったと思う。残念なことにどうしたってその前には戻れない。地震の前に収録されたテレビ番組が放映されると、夢の国を見ているような気がする。
今度の3月10日は秋田、11日には盛岡で都響の公演がある。中止になった函館にも八戸にも秋に行く。同じ日付が近づき、思い出さずにはいられない。