忘れられない一日に
昨日、昼間の時間を盗んで恵比寿の写真美術館へ。ロベール・ドアノーの写真展を見て、一昨日までに撮ったフィルムをラボテイクに出してからサントリーホールに向かった。
今回の演奏会で退団される方が4人もいらっしゃるので、この数日常に誰かが写真を撮っている感じだった。40年もいたオーケストラを去る時の気持ちはどんなだろう。オーケストラの仕事をしていると、たまに気が遠くなりそうになって、これが無限に続くように思える時があるのだけれど、誰しも舞台を離れる時は来るのだと思った。
昨日はいい演奏会だった。いろいろな意味で忘れられない一日になった。終演後あちこちのセクションが宴会を開いていた。深く深く飲んだ人もいたかもしれない。
今日は休み。久しぶりに朝寝坊して、昨日撮ったカラーのフィルムを新宿のヨドバシカメラに出しに。
カメラ売り場にはオリンパスの社員さんがいて、発売されたばかりのOM-Dを手にとりながら熱っぽく説明してくれた。小さなボディにあれだけの機能が凝縮されているのには驚くばかりだった。なんだか腑に落ちなかったデザインも納得できた。今注文しても一ヵ月くらいかかるそうだ。いいカメラだった、でも僕はライカのレンズが欲しいなぁ。
強い南風が吹き荒れる中、タワーレコードへ。実家にLPがあって、ずっとそのCDが欲しいと思っていたグリュミオーの弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(オーケストラはコリン・ディヴィス指揮のコンセルトヘボウ)と、アンドラーシュ・シフのシューベルトのピアノ作品集、9枚組で4千円くらい(なんと)を求めた。
買わなかったけれど、試聴しておもしろかったのはエンリコ・ディンドの弾くバッハの無伴奏チェロ組曲。低めのピッチで、とにかく当たりの柔らかい音で美しく美しく弾いている。彼がN響とショスタコーヴィチの協奏曲を弾いた時もふくよかないい音だったもの。
今日は弾かないつもりだったけれど、チェロを弾きたくなった。