かいじゅうという言葉が
明日の演奏会のメインは「新世界より」。火曜日からはショスタコーヴィチの4番のリハーサルが始まる。
僕が新日フィルに入った最初の演奏会はアラン・ギルバートの指揮する「新世界」、やめるときはショスタコーヴィチの4番だったから、最近あの頃のことをよく思い出す。
新日フィルにいた頃、地方公演や音楽教室というと「新世界」だった。秋の短い期間に10数回弾いたこともあった。
確か六ヶ所村に始まり公演を重ねながら南下していった演奏旅行で、すっかり手垢のついてしまったこの曲の終楽章のまん中あたりチェロの旋律の手前、ヴァイオリンの受け持つ旋律が、豊嶋さんのリードで毎回違う景色に見えたことがある。いつも自発的、即興的にセクションが一体となって素晴らしかった。
そろそろ勉強しているショスタコーヴィチの4番は、勉強していっても前回の記憶はやはりほとんどない。
5番の交響曲とは大きく異なって、晦渋という言葉がぴったりくるような気がする。甘いところや晴れやかな所はどこにもなく、いつも渋い。もしかしてこれがショスタコーヴィチなのかと思う。久しぶりの大曲だ。
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