演奏すること
昨日の秋田、今日の盛岡公演も無事終わり、帰京する新幹線に飛び乗った。本当にほっとしている。
一年前の今日、函館公演が中止になり、夕方金管楽器の人たちと一緒にホールからホテルに戻る路面電車に乗った。
駅前のホテルに着いて、たまたまお会いしたピアノの小山さんと調律の杉浦さんと何か話をしかけた時、津波が来ます避難してください、と言われ、分かれてとにかく上の階に上がった。今月の演奏会で小山さんにお会いしたのは、その時以来のことだった。
一年がたちテレビの画面には様々な映像が流される。それを見ながら、何年も前、紀尾井シンフォニエッタでゲルハルト・ボッセさんがR.シュトラウスのメタモルフォーゼンを指揮した時のことを思い出した。第2次世界大戦が終わった時、若かったボッセさんは破壊されたドイツの街を見て、もう音楽はできないと思ったそうだ。
今日演奏しながら、結局僕たちには演奏することしかないし、再び東北で演奏できたことを感謝しなくてはならないと思った。
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