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2012年4月 9日 (月)

たった一箇所


ブルックナーの7番のリハーサルが始まった。
このところ僕にとって雲をつかむようなプログラムが続いていたので、一つ一つの音符がこう弾いて、とか、こっちに行って、とか、あっちに行って、とかはっきり言ってくれるこの曲は楽しい。どうしてもこれだという音色や方向がある。

演奏時間1時間を超える7番の中でシンバルとトライアングルの音が聴こえるのはたった一箇所、緩徐楽章のクライマックスだ。シンバルは本当に一発だけ。今日久しぶりに弾いて、全曲のクライマックスもここにあるような気がした。残りの2つの楽章は残照のようだ。
終楽章には大ユニゾンのグロテスクなところがある。これは、例えば朗々と弾くとかして多少なりともとりつくろった方がいいのか、あるいは醜悪なまま置いておいた方がいいのか、どちらだろう。

サイトウキネンでブルックナーの7番を演奏したのはずいぶん前のことだ。
楽譜はK社のものを使っていた。版による音符の細かな違いが問題になりリハーサルが何度か中断した後、ヨーロッパからのある演奏者が、こんなアメリカの楽譜を使うから問題が起こるんだ、というようなことを言うや否や、アメリカから来ていたブラスの人たちがアメリカ国歌を吹き始めて、外野にいたこちらは、おーやっとるやっとる、と見ていた。
あの頃の松本では宮本さんのオーボエ、ライスターさんのクラリネット、ファースさんのティンパニ、ツェパリッツさんのコントラバスが聴けた。以前のことをよく思い出すのは年をとった証拠か。

昨晩放送されたJ-WAVEのGrowingReedは学生起業家の鶴田浩之さん。21歳だそうだ。
インドを旅した経験や去年の地震の後に取った行動、今という時代について、地に足のついた自分の言葉で喋っていた。何かの的確なセンスを持っているのだと思う。
今の若い世代の音楽家もそうだけれど皆優秀で、ちょっと前のこわもて、はったり、知ったかぶりはもう流行らないらしい。

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