試行錯誤できる
学生の時、桐朋の公開講座で一度だけアンナー・ビルスマのレッスンを受けたことがある。今でも時々思い出す、示唆に富むとても貴重な時間だった。
今日はビルスマに習っていたK君(昨日のK君とは別のK君)とビルスマの話で盛り上がった。
ある時彼がビルスマに、音楽に入り込むと周りが聴けなくなる、周りを聴くとさめてしまう、どうしたらよいだろうか、と尋ねるとビルスマは彼の顔をじっと見てから、
「You are a too nice person.」
と言ったそうだ。
確かに、オーケストラやアンサンブルの場で周囲に気を配っていると、もっと自分を出せばよかったと思う時はあるし、周りを気にせず我が道を行った人の方が聴衆にアピールすることはある。
ショスタコーヴィチのリハーサルの後すこしさらってから、虎の門交響楽団とエルガーの合わせへ。
普段の仕事場では協奏曲のリハーサルは多くて2日2回。今回のエルガーの練習は何度もあり、実は様々な試行錯誤のできる有り難い機会になっている。そもそもよほどの売れっ子でない限り協奏曲を何度も人前で通すことはあまりないと思う。
回数が多いからといってぼんやりしないようにしよう。
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