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2012年4月11日 (水)

テールガット

テールピースを楽器に留めるテールガットの材質にはいくつか種類がある。僕が知っているのは、ガット(何かの動物の腸をかたく撚ったもの、だと思う)、ナイロン、金属の単線、細いタングステンを撚り合わせたもの、新素材(化学的に造った繊維)。

6〜7年前にテールガットをナイロンからガットに換えた時は音の良くなり方に驚いた。
不思議なのは、ガット弦は温度・湿度の影響を強く受けるのに、テールガットはとても安定していることだ。

先月から新しいテールピースを試している。
基本的には音も大きくなったし良いのだけれど、木のテールピースの音色は失われたと思っていた。
そのことが一つと、弾いた感じがどんどん固くなって余裕のない状態になったことも気になり、重野さんに相談した結果、新素材のテールガットを本物のガットに換えることにした。テールガットの長さも変わったので単純には比べられないけれど、やはり大きく変化した。音色が少し戻って、懐も深くなり弾きやすくなった。

新素材のテールガットの固い感じはタングステンのそれの傾向に似ている。タングステンのテールガットは10年くらい前に試したことがある。強いのだけれど、楽器の遊びがなくなってぎちぎちになってしまったのですぐ外した。僕の楽器には合わなかった。

僕の不注意やその他のことでかつてないくらい傷だらけにしてしまった楽器もきれいにして頂き、ひどいぐぎぐぎ弾きで毛をばっさり切ってしまった弓も元の状態にして頂いた。
楽器も弓も落ち着かなかったのがしゃんとして安心した。

東京の桜は今日の雨風でだいぶ散ってしまったなぁ。

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