6月2日(土)快晴
6月2日(土)快晴
昨晩日付が変わる頃から路上で誰かが大音量の音楽(どんつくどんつく)と共に騒ぎ始め、幸い安眠は妨げられなかったけれど、朝8時頃まで元気に騒いでいた。金曜日の夜はいつもこうなのか、とにかくすごいエネルギーだった。
パリ最終日の朝、飛行機雲が羽ばたく鳥のように見えた。
荷造りしてから出かける。ヴァンドーム広場を横目に見ながらパッサージュ・ショワソルへ。
昨日行ったパッサージュと違い、清潔だけれど味気なかった。そのままプティ・シャン通りを歩いて、手荷物チェックを受けてからギャラリー・コルベールへ。
明るく整然としていて中では授業をしていた。パリは混沌、雑然としているように見える。でもここは知的な感じだった。
土曜日のパリはゆったりしていていい。
平日の朝、道路はクラクションが鳴り止まず殺気だち、地下鉄の乗り換えは皆飛ぶような速さで歩く。カフェでは憮然とコーヒーを飲み、どうにか仕事に行く踏ん切りを付けているように見える。
プティ・シャン通りを挟んで、ギャラリー・コルベールの反対側もおもしろい場所だった。空間を実に上手く使った高級靴店や眼鏡のフレームを手作りしている工房があった。
それからギャラリー・ヴィヴィエンヌへ。ここは素敵なパッサージュだった。入り口に落ち着いた雰囲気のレストランがあり、中の床はモザイクが施されている。ブティック、レストラン、おもちゃ屋などがあり、昼は左手に曲がったところにある店で食べた。ガラス屋根から差し込む自然光が柔らかく、残り数時間となったパリ滞在を惜しんだ。料理はもちろん美味しかった。
すっかり日が高くなり暑くなった路を歩いてホテルまで戻る。
空港へ向かうため呼んでもらったタクシーから、ちんちくりんの運転手が降りてきてあれま、と思ったら、果たして車内はゴミだらけ、エアコンなし、シートベルトも一部不能、車はまっすぐ走らず、常に小刻みに加減速するタクシーだった。まぁ一応安全運転のようだったので、これも旅ということにしよう。
行きに乗ったタクシーの若い運転手は、ずっとiPhoneをいじっていたけれど、すぅっとスムーズな運転で彼が素晴らしかったことがわかった。チップをはずんであげれば良かったなぁ。
帰りの飛行機の機内食はいつもの機内食だった。行きはどうして良かったのだろう、日本で調理した食材を積むからだろうか。
わずか半日ほどの飛行で日本に戻ってきた。パリにいたことが夢のようだ。