「小さな空」
昨日の演奏会のアンコールはピアノ、オーケストラ、合唱のために編曲された武満徹さんの「小さな空」。
ピーター・ゼルキンのソロで始まる冒頭がとても印象的だった。彼は「タッシ」というグループで武満さんの「カトレーン」の初演もしているはずだから、きっといろいろな思いを抱えていたのではないかと思う。
僕が初めてサイトウキネンに参加した96年にはもちろん武満さんもいらしていて、武満さんの曲も弾いた。浅はかな僕には白い音符ばかりのその曲はよくわからなかったのだけれど、今回彼の音楽はこんなに素晴らしかったとようやく気付いた。
松本の好きなところの一つは、街中にいても水や草の匂いがすることだ。それは東京に戻ったときに痛感する。
僕の行動範囲は駅とホテルと、途中でほぼ直角に曲がって北上する女鳥羽川と、川沿いにあるホールと、いくつかのお店と、簡単な絵地図にできてしまいそうなくらい小さい。だから時々外に行きたくなる。
今朝は長野の善光寺参り。
歩き回るには暑かったけれど、ふわふわと吸い込まれそうな路地がたくさんあって楽しかった。知らないところに身をおくと、眠っていた頭のどこかが動き始めるのがわかる。
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