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2012年10月23日 (火)

昨日トリオの練習の後、広い部屋で録音しながらソロの曲をさらった。ほとんど白紙なのでアイデアもたくさんあるし、やらなくてはならないこともたくさんある。問題は時間が限られていること。

今度弾くバッハの組曲は2番。さらいながらこの組曲の中のプレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、メヌエット、ジーグには全て異なる種類の弓使いが割り当てられているのではないかと思った。このことに気付いたら俄然おもしろくなった。
バッハの組曲に関するアンナー・ビルスマのファンタジーあふれる著書のタイトルも「Bach,the Fencing Master(剣の達人、弓使いを剣さばきになぞらえている )」だもの。秘密が目の前にあると、それが秘密だと気付きにくいのかもしれない。

もう10年以上、LS3/5というスピーカーを使っている。イギリスBBC規格のモニタースピーカーで、様々なメーカーから出ていた。僕のはKEF社製のもの。楽しみで聞く音楽というよりは、オーケストラだったら各楽器間のかみ合わせ、ソロや室内楽だったらどんな弓使いか、どこで左手のポジションを変え、どこで何番線を使っているか、そんなことを克明に聴く商売道具だ。
実家にも同じLS3/5があり、でもこちらはロジャース社製。どうしてだかこちらの方がいいような気がずっとしていた。

先日父から突然連絡があり、スピーカーを変えると言う。結局、実家には大振りなスピーカーが鎮座し、ロジャースのLS3/5が僕のところに来て、玉突き式にKEFのLS3/5はよそに行った。
ずっと使っていたKEFは特別バージョンで値段も上のはずなのに(僕は限定特価という宣伝文句に乗せられて買った)、やはりロジャースの方がいい。というよりまるで別物だ。ふわっと軽やかに鳴るし、音に手が触れられそうで、時々その温度感にヤケドしそうになる。(その特別バージョンの外装はピアノブラック仕上げ。これが重く、悪さしていたらしい。)
LS3/5は、多分オーディオ界では古典的な存在で、最新の機器は別世界くらいすごいのかもしれない。でも今の僕にはこれ以上のものはないように思える。

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必要に迫られて仕方なくCDを聴くことが多かったけれど、このスピーカーが来てから、あれこれCDを出してきて口をぽかんと開けながら聞いている。
オスカーピーターソントリオも素晴らしかったし、今日はハイフェッツの若い時の小品集を聴いていた。すごいなぁ、楽器を操る能力も音楽を司る能力も別格だ。僕はチェロを弾くひとつひとつのことをもう一度根本的に見直そう。

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