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2012年10月10日 (水)

平日昼間にもかかわらず、みなとみらいホールでの演奏会、多くの方々にお越しいただき本当にありがとうございました。

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オペラのアリアなど5曲を歌とチェロカルテットという編成で弾いた。(ソプラノは藤田美奈子さん)
素晴らしい歌と一緒に旋律を弾いたり(歌より1オクターヴ上で弾くのはちょっとしびれる)、歌の対旋律を弾いたり、チェロが旋律で歌が対旋律となったり。やっぱり歌だなぁ。チェロはどうしても上げたり下げたりという弓の動きに支配されてしまうもの。

アンコールはその編成で「からたちの花」。大好きな曲だ。歌詞と旋律がこれ以上ない、というくらい親密な関係にある。
「からたちのとげはいたいよ」とか「からたちも秋はみのるよ まろいまろい・・・」とか、音量が下がった時の「からたちのそばで泣いたよ みんなみんなやさしかったよ」とか。(音量が最小になったときに音楽的な頂点を迎えるのはラフマニノフのようだ)

たとえば劇的なイタリアオペラなどでは、やはり歌詞と旋律の劇的な結び付きがあって、それが強く聴く人の心に訴えるのだろうか。

リルケの「若い詩人への手紙」の中にこんな一節があった。(高安国世訳)

『・・・では私がお願いしましょう、そんなことは一切おやめなさい。あなたは外へ眼を向けていらっしゃる、だが何よりも今、あなたのなさってはいけないことがそれなのです。誰もあなたに助言したり手助けしたりすることはできません、誰も。ただ一つの手段があるきりです。自らの内へおはいりなさい。あなたが書かずにいられない根拠を深くさぐって下さい。それがあなたの心の最も深い所に根を張っているかどうかをしらべてごらんなさい。もしもあなたが書くことを止められたら、死ななければならないかどうか、自分自身に告白して下さい。何よりもまず、あなたの夜の最もしずかな時刻に、自分自身に尋ねてごらんなさい、わたしは書かなければならないかと。深い答えを求めて自己の内へ内へと掘り下げてごらんなさい。そしてもしこの答えが肯定的であるならば、もしあなたが力強い単純な一語、「私は書かなければならぬ」をもって、あの真剣な問いに答えることができるならば、そのときはあなたの生涯をこの必然に従って打ちたてて下さい。あなたの生涯は、どんなに無関係に無意味に見える寸秒に至るまで、すべてこの衝迫の表徴となり証明とならなければなりません。・・・』

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