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2012年10月 8日 (月)

ようやく涼しくなった。
演奏会場の音響が良くても悪くても、暑くても寒くても、たとえ湿気で指板がべとべとになりおまけにカビ臭くても、仕事はしなくてはならない、だからしのごの言わないようにしている。それでもやはり空気が引き締まり乾いてくるのはうれしい。

雑誌「図書」10月号、池澤夏樹さんの文章の中でリルケの「秋の日」(訳は高安国世さん)という詩が取り上げられていた。

『  秋の日

主よ、時節がまいりました。夏はまことに偉大でした。
日時計のおもてにあなたの影を置いてください。
そうして平野にさわやかな風を立たせてください。

最後の果実らに、満ち満ちるようにお命じください。
彼らにもう二日だけ南国のように暖かな日をお恵みください。
果実らをすっかりみのらせ、重い葡萄の房に
最後の甘味を昇らせてください。

今家を持たぬ者は、もう家を建てることはないでしょう。
今ひとりでいる者は、長くそのままでいるでしょう、
夜ふけて眠らず、本を読み、長い手紙を書き、
そうして並木道を、あなたこなたと
不安げにさまようでしょう、木の葉が風に舞うときに。      』

 

これから12月初めに向けてどんどん日が短くなる。こんな当たり前のことを、毎年経験してきたはずなのに、最近気付いた。秋は好きでも11月の日暮れの早さは残念に思う。うっかり寝坊でもしようものならその日は数時間で終わってしまうじゃないか。

今日からミラーズのリハーサルが始まった。
みなとみらいでのチェロカルテットもそうなのだけれど、これだけの難度の曲が一つのオーケストラのセクションでできるのは、きっと僕たちが誇りに思っていいことだと思う。もちろん、おそらく皆がけっこう頑張ってさらったし、エキストラで参加するチェリストたちの献身的な協力も大きい。

ミラーズはもともとチェロ6本のために書かれていて(今回は12本のための改訂版初演)、シカゴ交響楽団のチェリストたちによる録音がある。技巧的なところも素晴らしい、それにもまして、時々出てくる旋律的な部分の音色を聴くと、うぅむやるなおぬし!と感心する。

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