« | トップページ | »

2012年11月 3日 (土)

久しぶりに無伴奏の現代曲に取り組んで、思っていた以上におもしろい。
リゲティのソナタは、もうとっくにチェロのレパートリーになっている。一方まだそれほど演奏されていないだろうペンデレツキのディヴィエルティメントやソリマのラ・テンペスタには、白い紙に自分で何かを書いていける新鮮さがある。ペンデレツキは書法はごりごりした現代曲だけれど、伝統的なクラシック音楽の芯の部分はしっかりとあり、音楽の流れる道を見つけてそれを実現しようとする過程がおもしろい。チェロにこの音域のこの和音か!というところはある、でも楽器の技法というのはきっとそうして発展してきたのだろうなぁ。

ところでバッハは、難しい。ため息が出る。

最近よく聴いているハイフェッツの録音は1920~40年代のもの。ステレオ録音ですらないのに、弓の毛と弦がどのような関係になっているのか、なぜだか手にとるように聴こえる。この感じは最新のデジタル録音にはない。不思議だ。演奏の素晴らしさは言うまでもなく、だからいったん聴き始めると、すいこまれるように聴いてしまう。
往年の名手の録音を聴くといつも、進歩したはずの現代社会に生きる僕たちは、実は便利に薄まった空間にいるだけのような気がする。

« | トップページ | »

音楽」カテゴリの記事

  • (2017.06.17)
  • (2017.04.24)
  • (2017.03.21)
  • (2017.02.27)
  • (2016.12.15)