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2012年12月 1日 (土)

もし一斉に

今日から12月。東京は真冬の寒さとなった。

何年も前から着ているユニクロの黒いコート(ユニクロっぽく見えないところも気に入っていた)、よく着るのでさすがにいたんでいて、すでに昨年から新しいものを、と思っていた。ようやく新しいコートを買った。
夕方入った紳士服店のスーツ売場はすっかり「就活」向け、大学生が母親とスーツを選んでいた。この子たちは社会という海を漕ぎ渡っていけるだろうか。

ユニクロは今の経済状況を象徴する存在の一つだと思う。安さ、とか無料ということが何よりも優先する世の中になった。無料の演奏会の盛況ぶりも大変なものだ。時々ちょっと複雑な気持ちになる。

学生時代、カザルスホールの公演をよく学生券で聴いた。開演1時間前に売り出される学生券を、さらにその1時間前夕方の6時には窓口に並び、チケットを手に入れてから、お茶の水駅近くの吉野家で牛丼を食べてホールに戻る、公演中はよく眠くなった。
あの頃、牛丼の並は確か400円だったと思う。20年たって380円。最近のニュースによると、吉野家は並を250円で販売する実験店を都内でオープンさせたそうだ。

安い商品は当座、財布にやさしい。でもお金を使わないことは結局自分たちの首をしめると思う。衣料品や牛丼の値段が上がっていない、どころかむしろ下がっている、ということは、ものすごく乱暴な言い方をすれば、やはり給料やギャラは上がらないのだ。
銀行の預金金利はちゃぶ台をひっくり返したくなるくらい低いまま、一方でクレジットカードや様々な店舗のカードにはかなりの金額に相当するポイントが発生する。予想もできない規模やスピードでいろいろなことが動いている。

人々がスマートフォンをいじって潰す時間を減らし、実体のあるものに一斉にお金を使い始めたら景気は劇的に回復するのでは、と時々空想する。

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