今日はチェロを弾かない日。仕事が休みの日でも次の仕事の譜読みをかかえていたりさらわなくてはならなかったり、そういうことはよくある。特にヴォーン・ウィリアムズの4番のような曲が控えている場合は、あまりうれしい休みとは言えない。チェロを弾くのは、遊んでいるのか仕事なのかその境がわからくなってはいるけれど、それでも仕事もさらうのも休みで、時が過ぎていくのをぼんやりと感じられる日はきっと必要だ。
湘南へ。
猫の写真を撮るのに夢中だった頃、行く先々で個性的な猫たちに出会えた。大磯港もその一つだった。でも今日の港はさびれていてほとんど猫はいなかった。あの日々を思うと不思議な感じがする。風も強く防波堤の上に立っていると吹き飛ばされそうになるし、砂もびゅんびゅん飛んでカメラに入りそうなので早々に退散。東京都写真美術館へ。
マリオ・ジャコメッリ展を観てから映画「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」を観た。
http://www.herbanddorothy.com/jp/
前作「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」よりも夫妻を軸にして様々な人が美術とかかわっていく模様が描かれ、より起伏に富んだ内容になっていた。「ふたりからの贈りもの」とは、数千に及ぶボーゲル夫妻のコレクションのうち、2,500を全米50州の美術館に50作品ずつ寄贈する壮大なプロジェクトのことだ。
(そのコレクションはこのサイトで見られます http://vogel5050.org/#)
映画の中ではコレクションが分割されてしまうことに対するアーティストやヴォーゲル夫妻自身の葛藤、夫妻とアーティストとの会話も収められていて、そのことにも心を打たれた。忘れられない映画になるだろう。