« | トップページ | »

2013年6月21日 (金)

この1年ほどチェロに張る弦は上2本がラーセンのソフト下2本がスピロコアのライトだった。4本とも低いテンションなのは、以前ラーセンのミディアムを使っていた時、最初は良かったのだけれどだんだん楽器が締め付けられる感じになったから。
僕のチェロの表板裏板は薄く見える、そのこともあって強い弦は使わないようにしていた。でも重野さんに測っていただいたら厚みは普通にあるそうだ。(磁石とバネを組み合わせて、ノギスが使えないような場所でも、かなり正確に物の厚みを測る道具があった。)

先日ピアノ五重奏を弾き、月末にはピアノ・トリオがある。大きなピアノと室内楽を弾く時にもっと重い音が欲しくて、今日4本の弦のテンションを全てミディアムにした。現代風に最も標準的な組み合わせに回り回ってたどりついたことになる。日記に書くまでもないことかもしれない。音を出してみたら、なんだこんなことか、と思った。
以前と楽器は同じ、でもセッティングも弓も、それに人間もずいぶん変わったはずだから、同じ組み合わせでも別の面が見えてくるかもしれない。

Yuka

ところで、ラーセンのパッケージを開けたら新しいC線G線の広告が入っていた。マグナコア(Magnacore)G、マグナコアCというのだそうだ。その音からどうしてもマグナカルタを連想してしまう。大きく出たものだ。
古典的な話し。ヴァイオリンにはトマスティーク・インフェルト社製の「ドミナント」という弦がある。ニューヨークのジュリアード音楽院出身のソリスト御用達、パワーで押し切る人たちが使うイメージがある。それに対抗して(明らかにそうだと思う)ピラストロ社が発売した弦に「トニカ」という名前をつけたのは傑作だった。(蛇足:「ドミナント」という言葉には「支配的な」という意味もある。和声的には「ドミナント」の和音は「トニック」で解決する。)

002

« | トップページ | »

楽器のこと」カテゴリの記事